馬ひけーい!『王家の紋章』ミュージカル2021年再再演!あらすじ・見所・キャスト

『王家の紋章』ミュージカルが2021年再再演を迎えます!8月帝国劇場、9月博多座公演予定。

主演メンフィス王は初演、再演に引き続き浦井健治さん。そしてメンフィスWキャストに、初出演となる海宝直人さん。

キャロル役も初出演の神田沙也加さん、木下晴香さんのWキャストです。

イズミル、アイシス役はどなたになるんでしょうね…!

浦井メンフィス「そなたを愛している」「もうどこへも行ってはならぬ。よいな!」「これは命令だ!」

😍😆🥰

王家の紋章はこんな話
16歳の少女キャロルは、ミイラの発掘に関わったことから王家の呪いに触れ、3000年前の古代エジプトにタイムスリップしてしまう。エジプトのファラオ(王)メンフィスのまっすぐで燃えるような愛、メンフィスの姉・女王アイシスの激しい嫉妬、ヒッタイト王子イズミルの復讐と愛。古代の人々の情念と歴史の渦に巻き込まれ、キャロルはメンフィスへの愛に目覚めていく。

基本情報

原作/脚本/作詞/演出/音楽

原作: 細川智栄子あんど芙~みん「王家の紋章」(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
脚本・作詞・演出: 荻田浩一
作曲・編曲: シルヴェスター・リーヴァイ

上演時間

休憩入れて3時間弱(再演時)

2021年スケジュール&劇場

2021年8月帝国劇場(東京)
2021年9月博多座(博多)

『王家の紋章』とは

完結しない?少女漫画の金字塔


『王家の紋章』は1976年「月刊プリンセス」で連載がスタート。

作者の病気などで一時中断もありましたが、今なお連載が続く少女漫画の金字塔のひとつです。

古代エジプトの新王国時代をテーマに、現代の主人公、アメリカ人のキャロルがタイムスリップ。エジプトの若き王メンフィスと恋に落ち、エジプトだけでなく周辺のヒッタイト、アッシリア、バビロニアなどでさまざまな運命に巻き込まれていく物語。

キャロルがうかつに色々なところに行ってしまうので😊

ストーリーに終わりが見えない漫画です。

再再演のアナウンスの際、ツイッタートレンドに「王家の紋章」と出たので、完結したのか?と思った原作ファンの方も多かったみたいですね😆

連載40年で初の実写化

原作者の細川先生の話によると、『王家の紋章』は今までにアニメや実写化の話は幾度となくあったそうです。

テレビドラマの話があった際、漫画の描くスピードが違ったため大変苦労し、以降、お話があっても全て断っていたとのこと。

しかしミュージカル化の話を了承されます。

ミュージカル化OKと判断したのは、1巻~4巻までの内容でどうかという話だったので、それならと了承したそうです。

『王家の紋章』は、話がすすむにつれて登場する国や人物がどんどん増えていきますからね。

1巻~4巻であれば、キャロルが古代エジプトへ引きずりこまれた理由に加え、作品の軸になるメンフィス率いるエジプトとイズミル率いるヒッタイトの争いがクライマックス。

『王家の紋章』作品ファンにも、原作を知らない方にも、舞台化に丁度良いと考えられたのかもしれません。

ミュージカル『王家の紋章』あらすじ

現代エジプト
古代エジプトに魅せられたアメリカ人のキャロルはエジプトに留学し考古学を学んでいる。ある日、ピラミッドの発掘が行われることになったが、それは古代エジプトの王にして18歳で亡くなったメンフィスの墓だった。その直後、キャロルの前に謎の美女アイシスが現れる。弟メンフィスを愛するアイシスの呪術により、キャロルは古代エジプトへと引き込まれてしまう。

古代エジプト
キャロルはナイル河の岸辺で倒れていたところ、奴隷の少年セチに助けられる。首都テーベ(現在のルクソール)にやってきたキャロルは、上下エジプトを統治する新たなファラオの戴冠式の祝賀行列が通り過ぎるのを目にする。

美しい少年王メンフィス、姉で下エジプトの女王アイシス、側近たち、隣国ヒッタイトの王女ミタムン…

信じられない光景に驚くキャロル。そしてメンフィスの顔が、現代で発掘された人型棺とそっくりなことに驚く。

この時、別のところから大行列を眺めているのは、ヒッタイト王国のイズミル。エジプトを倒すため腹心のルカをエジプトに送り込み内情を探らせようとしていた。

キャロルはセチの助けを借り、巨大建造物の造成に従事する奴隷の中に紛れ込む。しかし頭を覆う布がとれ、金髪と白い肌があらわになってしまう。その場に居合わせたメンフィスはその姿に目を奪われる・・・

人々はキャロルの姿に驚き、エジプトの宰相イムホテップは、彼女がエジプトを幸運に導く髪の娘ではないかと考える。

自分の存在が歴史を変えてしまうのではないかと懸念するキャロルだが、数奇な運命がキャロルを歴史の渦へと巻き込んでいく。

登場人物とキャスト

敬称略

キャスト表


2016年、2017年キャスト 2021年キャスト
メンフィス(エジプトのファラオ) 浦井健治 浦井健治、海宝直人(Wキャスト)
キャロル(現代のアメリカ人学生) 新妻聖子、宮澤佐江(Wキャスト) 神田沙也加、木下晴香(Wキャスト)
イズミル(ヒッタイトの王子) 宮野真守、平方元基(Wキャスト)
アイシス(メンフィスの姉) 濱田めぐみ
ライアン(キャロルの兄) 伊礼彼方
ミタムン(イズミルの妹) 愛加あゆ
ルカ(イズミルの腹心) 矢田悠祐
ウナス(メンフィスの忠臣) 木暮真一郎
ナフテラ(エジプトの女官長) 出雲綾
イムホテップ(エジプトの宰相) 山口祐一郎
ミヌーエ将軍(エジプトの将軍) 川口竜也(2016)、松原剛志(2017)
セチ(エジプトの奴隷) 工藤広夢

メンフィス(エジプトのファラオ)

勇猛果敢な古代エジプトの若きファラオ(王)

18歳で亡くなり、墓が現代のキャロルたちに発掘される。

長い黒髪で女と見紛う美貌ながら、気性が荒く残忍で傍若無人な一面もあり、誰もが恐れるファラオ。

全ての者が自分に従うのが当然と信じ、自分に臆することなく意見するキャロルに最初は腹が立つが、徐々にキャロルの優しさや誠実さに惹かれ深く愛するように。そしてメンフィス自身成長していく。

MEMO
気性が荒く強引で、下手するとただの乱暴者にみえてしまいますが、不器用で真っ直ぐな可愛い面も。キャロルに出会い、メンフィスが優しさを知り変わっていく姿やマントを翻しながら戦う殺陣シーンも見所。
印象的なセリフ「愛いやつ」「馬ひけーい!」「うぬっ」

キャロル(現代のアメリカ人学生)

好奇心旺盛なアメリカの16歳の少女。大好きな考古学を学ぶためエジプトに留学している。キャロルの兄・ライアンが出資する調査隊がファラオの墓を発掘した事により、ファラオの姉・アイシスの呪いにかかり、キャロルは古代エジプトへタイムスリップしてしまう。

キャロルのもつ現代の知識(歴史~医療に関することまで)は古代エジプトの人々を驚かせ「神の娘」「ナイルの娘」とあがめられる。

キャロル自身は天真爛漫で素直。例え相手が強くても自分自身が正しいことは曲げない強さもある。ただし好奇心が旺盛すぎて、しょっちゅう危険に身をさらす迂闊さもある。

獰猛な若きファラオ・メンフィスに当初は反発するも、徐々に愛するようになる。

MEMO
ミュージカルでは、明るくポップな曲が多い。

イズミル(ヒッタイトの王子)

ヒッタイト王国の王子。聡明で冷静沈着だが心に熱いものを秘めている。メンフィスが太陽なら月と例えられる美しい王子※。武術の達人としても名高い。

ミュージカルでは出てこないが、長い髪に短剣を隠しもっている。

妹のミタムンがエジプトで殺され、復讐のためにキャロルを誘拐したが、キャロルの拷問に屈しない強さや英知、そして美しさに惹かれ、キャロルをメンフィスから奪おうとする。

MEMO
メンフィスに比べ落ち着いたイメージのある人物。曲も大人っぽいです。復讐や切ない愛など、苦しい気持ちを吐露する曲が歌われます。演出変更されなければ一幕での出番は少な目。二幕では見せ場が多いです。

※メンフィスが太陽でイズミルが月というのは、原作に出てきた言葉なのか、ファンの創作で出てきた言葉のなのか…ごっちゃになっています。すみません。でも舞台をみればこの言葉の意味がわかるかと思います。

アイシス(メンフィスの姉)

メンフィスの異母姉。古代エジプト王国第一王女で、下エジプトの女王。(古代エジプト初期、エジプトはいくつかの都市国家にわかれ、やがて上エジプト、下エジプトと2つの統一国家にまとまったと考えられています)

祭司としての神秘の力と、妖艶な魅力を持つ気高い絶世の美女。異母弟のメンフィスを幼い頃から一途に愛し、メンフィスに近づく女には冷酷で情け容赦ない。

メンフィスはアイシスに対し肉親としての愛情を抱いているが、それ以上の気持はない。それを知りつつ「いつかはメンフィスも自分を愛し、2人で力を合わせてエジプトを統治していく」と願っていたが、キャロルの登場でそれが叶わなくなり、キャロルに憎しみを抱く。

MEMO
メンフィスに近づく女を憎悪し、劇中「殺されてしまえ」なんてセリフを口にする恐ろしい人物ですが、同時にアイシスの哀しみや国を背負う重みなども強く伝わってきます。

曲を作ったリーヴァイさんが初演、再演で演じた濱田めぐみさんのキーに合わせてアイシスの曲を作っているのもあり、個人的に濱めぐさんアイシスの歌が特に心に残りました。

ライアン(キャロルの兄)

キャロルの兄。父の死後リード・コンツェルンの総帥を務める。「氷のライアン」と言われるほど、クールでやり手の実業家。
しかしキャロルに対しては過保護で溺愛している。エジプトで突然行方不明になったキャロルのことを心配している。

MEMO
ストーリーの関係上仕方ないのかもしれませんが、ライアンの登場時間はとても短いです…

ミタムン(イズミルの妹)

イズミルの妹でヒッタイト王国の王女。メンフィスの戴冠式にヒッタイト国の使いとしてエジプトを訪問し、メンフィスに一目ぼれする。積極的にメンフィスに求愛したことでアイシスの怒りを買い、牢に捕らえられ最期は殺されてしまう。

ルカ(イズミルの腹心)

古代エジプトでキャロルの護衛を務める。しかし正体はイズミルの腹心でヒッタイトのスパイ。イズミル王子への忠誠心は本物だが、キャロルの誠実さや優しさを知り、キャロルに対しても強い忠誠心を抱く。

ウナス(メンフィスの忠臣)

古代エジプトの武官でメンフィスの忠臣。キャロルの護衛も務める。ルカの正体を知らず、互いに親しい。

ナフテラ(エジプトの女官長)

古代エジプトの女官長。王家に長く使え、突然現れたキャロルにも優しく接する。

イムホテップ(エジプトの宰相)

古代エジプトの宰相。若い王メンフィスを支える賢人。キャロルの英知と優しさを気に入り、エジプトにとって大切な娘だと尊重する。

ミヌーエ将軍(エジプトの将軍)

古代エジプト王国の将軍。ナフテラの息子。

アイシスに恋焦がれ、初演では思いを告げアイシスにぴしゃりとはねつけられるシーンがあったが、再演ではなくなった。原作でもアイシスへの想いは初期のみ描かれ、のちは恋愛感情がなかった設定のようになっている。

セチ(エジプトの奴隷)

キャロルが最初に古代エジプトにタイムスリップした際、倒れているキャロルを助けた少年。身分は奴隷。キャロルを守り命を落とす。

『王家の紋章』曲一覧(初演時)

『王家の紋章』は初演から再演にかけて曲の変更があったのですが、再演時のプログラムを人に貸していて、手元に初演時のナンバーしかなく💦

とりあえず初演時の曲一覧をのせ、再演時の曲目が分かり次第修正します。

一幕

悠久のナイル
憧れに生きる
王家の呪い
ファラオは太陽
今日のわたしに
ただ願うのは
ファラオとして
黄金の髪の娘
奴隷じゃない
いつも(想い儚き)
ルカのモノローグ
宰相の帰還
帝国安寧
牢獄
清き水
ナイルの娘
歴史を超えて
捧げるべき愛
黒い翼が悲劇を運ぶ

二幕
今は おやすみ
いるべき場所へ
キャロル キャロル
イシスとオシリスのように
想い儚き
困難と苦痛の中で
テーベの街
囁き
略奪
騒然
揺れる心
エジプトに勝利を
祈り
わたしの為に
命をかけても欲しいもの
二人をつなぐ愛

ミュージカル『王家の紋章』見所

美しい衣装と舞台美術

私が最初に『王家の紋章』の舞台をみたとき、一番印象に残ったのは、衣装の美しさでした。

エジプト王国とヒッタイト王国の衣装の対比が鮮やかです。

美術コンセプトは、悠久に流れるナイルの水。

このナイルの水をエジプトの装身具である青い首飾りに見立てているそうです。

ターコイズやコバルトブルーと黄金のイメージを衣装にとりいれたメンフィスとアイシスの衣装は色鮮やか。


(再演:メンフィス役浦井健治さん、細川智栄子先生と芙~みん先生)

 


(初演:メンフィス役浦井健治さん)

 

(初演:アイシス役濱田めぐみさん、ライアン役:伊礼彼方さん)

 
キャロルの衣装にはピンクの花が使われています。エジプトの国花ロータス(蓮)で、古代エジプトの模様に多く見られているものです。


(再演:キャロル役宮澤佐江さん、メンフィス役浦井健治さん、キャロル役新妻聖子さん)

今作でもキャロルの衣装は花、メンフィスには葉がモチーフで、2人で一帯のロータスになるようにしてあるそうです。

 
一方、ヒッタイトはトルコのイメージ。

漫画と同じく長い布を用いた衣装が特徴ですが、マントのようにも見えて、たいへん格好良いです!


(初演:イズミル役平方元基さん、宮野真守さん)

 


(再演:イズミル役宮野真守さん)

 


(再演:ミタムン役愛加あゆさん、イズミル役平方元基さん、ルカ役矢田悠祐さん)

 


(再演:ライアン兄さん役伊礼彼方さん)

エジプトもヒッタイトもこの衣装で動くのは大変そうですが、

それぞれ世界観が色鮮やかに現れ、目でも楽しめる舞台です。

MEMO
衣装を担当されているのは、前田文子さん。「Eternal Chikamatsu」、「グランドホテル トムサザーランド」、「ピアフ」、「ホフマン物語」、「海辺のカフカ」、「ハムレット」、「金閣寺」、「笑う男」、Kバレエ カンパニーの「クレオパトラ」など多くの舞台作品を手掛けられています。

そして衣装に劣らず美しいのが舞台美術。特に2階席からみたときの照明が綺麗です。ナイルの朝日や夕日、星空などの背景のほか、シチュエーションに合わせ、床にも照明演出がなされている様子が2階席から確認できます。

『エリザベート』のリーヴァイさんの美しい音楽

音楽は『エリザベート』『モーツァルト!』『レベッカ』などを作曲したウィーンミュージカルでおなじみの、シルヴェスター・リーヴァイさん。

旋律の美しさは『王家の紋章』でも発揮!

現代っ子のキャロルにはポップなメロディーを与えるなど、各キャラクターごとにメロディーの使い分けがされています。

個人的に特に好きなのが、アイシスとヒッタイトのイズミル王子の音楽。むくわれない情念に満ちた曲に心を掴まれます。

『王家の紋章』あれこれ

メンフィスはツタンカーメンがモデル?

エジプトのファラオとして登場するメンフィスのモデルは、黄金のマスクで有名なツタンカーメン??

とよく言われています。

原作者の細川智栄子先生と芙~みん先生は、メンフィスのモデルについて明言されていないと記憶しているのすが、モデルではないの?と思われる共通事項がいくつか。

ツタンカーメンは、第18王朝に属したエジプト新王国時代のファラオで、『王家の紋章』も新国王時代のお話です。

若くして亡くなったのも、メンフィスもツタンカーメンも同じ。

(『王家の紋章』では、キャロルが古代エジプトに引き込まれたことで歴史とメンフィスの運命が変わります。)

ツタンカーメンのミイラを発掘した関係者の多数が、謎の死を遂げたことは有名な話ですが、『王家の紋章』のストーリー中でもメンフィス王墓を暴いた関係者が次々と怪死します。

何よりメンフィスの顔は、黄金のマスクをつけたツタンカーメンにそっくり。

ただツタンカーメンは謎が多く、他にエジプト新王国第19王朝のファラオ、ラムセス2世もメンフィスのモデルになったのではないか?と思われます。

ラムセス2世は偉大なファラオと言われ、映画『十戒』で描かれる冷酷な性格は、初期のメンフィスに通じます。ラムセス2世時代、エジプトとヒッタイトは「カデシュの戦い」があり、休戦後ラムセス2世はヒッタイト王女を王妃に迎えます。

『王家の紋章』でも、イズミルの妹でヒッタイトの王女ミタムンがメンフィスへの結婚に意欲を見せますが、このエピソードはラムセス2世の頃の話に関連していそうです。

ちなみに、『王家の紋章』ファラオの名前に使われているメンフィスとは、古代エジプトの首都名です。

つまりメンフィスは地名です。

第18王朝によって新王国時代が始まり、テーベが首都になるよりも前、初期王朝~古王朝時代の、古代エジプトのもっとも古い首都がメンフィスでした。

そしてメンフィスのライバル、ヒッタイト王子の「イズミル」も、トルコ西部の都市で地名です。

アイシスはどうか?と調べたら、エジプト神話における豊穣の女神「イシス」を指すようです。

『王家の紋章』でメンフィスとアイシスのデュエット、「イシスとオシリスのように」にも登場します。イシスが豊穣の女神でオシリスが冥界の神です。

キャロルが「ナイルの娘」と呼ばれる意味~エジプト人にとってのナイル~

キャロルの黄金に輝く金髪の髪に加え、彼女の歴史や医学に関する知識は、古代エジプト人からみれば驚くものでした。

そんなキャロルのことを、古代エジプト人は「ナイルの娘(姫君)」「神の娘」とあがめるようになります。

キャロルはなぜナイルの娘と呼ばれたのか。

これはエジプトに繁栄をもたらしたナイルの氾濫と深い関係があります。

ナイル河は一定の時期に増水して氾濫し、その際に上流から大量の土砂を運んできます。そして水が引いた後は肥沃な大地を残し、この豊かな大地が農作物の豊穣をもたらしエジプトは繁栄していきました。

古代のエジプト人にとって、ナイルの氾濫こそ生命の源。

ナイルの増水を、ナイルの化身・女神ハピにたとえ、人々は女神の到来(=ナイル河の氾濫)を待ち望むようになります。

キャロルの英知や神秘性が、古代エジプト人には、女神の到来に思えたとしても不思議ではないんですね。

なお、ナイルの氾濫は太陽暦をつくるきっかけにもなりました。

ナイルの氾濫を待ち望む古代エジプト時にとって、重要なことはいつ氾濫が起きるか知ること。つまり「時」を把握することです。

彼らは、日の出直前、東の地平線からシリウスが現れると、ナイルの氾濫が起きることを長い年月をかけて知りました。

太陽の動きを観察し続け、一年という周期(約365・24日)を意識するようになり、その知識をもとに太陽暦を作ったのです。

作者が意図したかどうかは不明ですが、タイムスリップしたキャロルが、太陽暦作成の元になったナイルのほとりに現れるのも、不思議なつながりを感じます。

当時のエジプトとヒッタイト

王家の紋章の舞台は今から約3000年前。紀元前1550年~前1100年ころの新王国時代(第18~20王朝)の話です。

メンフィスのモデルではないかと思われるツタンカーメンは第18王朝に属するファラオ。そしてもう一人、第19王朝のラムセス2世。

エジプトの新王国時代はヒッタイトと対立が激しかった時期です。

ヒッタイトは紀元前15世紀頃、アナトリア半島(現在はトルコ共和国のアジア部分)に王国を築いた民族。ハットゥシャを王都として、ヒッタイトは鉄器を使用する一大帝国を築きました※

ミュージカルの中でも鉄器の作り方をめぐって、エジプトからヒッタイト人への拷問が行われようとします。

 
エジプトとヒッタイトは紀元前1274年に「カデシュの戦い」で戦います。

この時、エジプトのファラオはラムセス2世。

この戦いは歴史上はじめて公式記録された戦争で、両者はともに相手を打ち負かすことができず、長年戦争を続けます。

そして先ほども書きましたが、両国はのちに休戦協定を結び、ラムセス2世はヒッタイト王女を妻に迎えます。

このあたり、『王家の紋章』原作でお互い敵国とみなし、長年キャロルを巡って戦いをいどむメンフィスとイズミルに通じます。またエジプト王メンフィスに好意をもち、結婚したいと願うヒッタイトの王女ミタムンのエピソードにもつながりますね。

※ヒッタイト帝国の遺跡で日本の調査団が、ヒッタイト人以前の民族が製造した可能性のある鉄の塊を発見したため、史上初の鉄器文化を築いた民族がヒッタイトでなくなる可能性があります。

原作漫画


王家の紋章 1 (プリンセス・コミックス)

ミュージカル『王家の紋章』DVD

東宝より2017年再演の際に『王家の紋章』DVDが発売されています。

2バージョン出ていて、Wキャストのキャロル、イズミルが異なります。

「王家の紋章」2017年版キャストDVD Ra(太陽の神)バージョン

発売:東宝モール

メンフィス: 浦井健治
キャロル: 新妻聖子
イズミル: 宮野真守
ライアン: 伊礼彼方
アイシス: 濱田めぐみ
イムホテップ: 山口祐一郎

「王家の紋章」2017年版キャストDVD Hapi(ナイルの神)バージョン

発売:東宝モール

メンフィス: 浦井健治
キャロル: 宮澤佐江
イズミル: 平方元基
ライアン: 伊礼彼方
アイシス: 濱田めぐみ
イムホテップ: 山口祐一郎

関連動画


『王家の紋章』2017PV【舞台映像Ver.】
by TohoChannel


『王家の紋章』2016PV【舞台映像Ver.】
by TohoChannel


『王家の紋章』製作発表歌唱披露映像(初演時)
by TohoChannel

チケット

2016年『王家の紋章』初演の際は、チケットをとるのに非常に苦労しました。2021年はどうなるでしょうね。

チケット発売日が決まりましたが、追記していきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。