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ミュージカル『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』中村倫也/木下晴香/福士誠治出演

2022年10月、MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』が上演されます。

本作は2018年末~2019年にかけ韓国で上演されたミュージカル。今回、日本版初上演となります。

音楽家でありながらも聴力を消失した音楽家ベートーヴェンの人生を、史実と創作織り交ぜながら描いたミュージカル作品です。

基本情報

オリジナル/演出/訳詞

ORIGINAL PRODUCTION BY ORCHARD MUSICAL COMPANY
MUSIC BY SOO HYUN HUH
BOOK BY JUNG HWA CHOO

演出:河原雅彦
訳詞:森雪之丞

上演時間(未定)

未定

2022年公演期間・会場

東京公演

公演日程: 2022年10月29日(土)~ 11月13日(日)

東京芸術劇場プレイハウス
東京都豊島区西池袋1-8-1
アクセス:https://www.geigeki.jp/access/index.html

大阪公演

公演日程: 2022年11月16日(水)~ 11月21日(月)

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
大阪府大阪市北区茶屋町19-1
アクセス:https://www.umegei.com/

金沢公演

公演日程: 2022年11月25日(金)~11月26日(土)

北國新聞赤羽ホール
石川県金沢市南町2-1
アクセス:http://www.akabane-hall.jp/about/index.html#access

仙台公演

公演日程:2022年11月29日(火)~11月30日(水)

電力ホール
宮城県仙台市青葉区一番町3-7-1
アクセス:https://www.d-biru.com/map.html

ライブ配信

11/13(日) 13:00 (東京公演千穐楽)
11/30(水) 13:00 (大千穐楽)

※ライブ配信のみ。アーカイブ配信はなし。

キャスト

青年ルードヴィヒ役:中村倫也
マリー役:木下晴香
もう一人のルードヴィヒ/青年役:福士誠治

ルードヴィヒ(日本版)?ルードウィク(韓国版)?

本作のタイトルで用いられるベートーヴェンの名前(ファーストネーム)は「ルードヴィヒ」です。一方、オリジナルの韓国版タイトルは「ルードウィク」です。

私は韓国のオリジナル作品を未見なので、正確に比べる事が出来ないのですが、名前の違いは、作品上大きいのでは?と思っています。

突然ですが、ドイツ語の話をします。(ベートーヴェンはドイツ人)

ドイツ語で「g」の音は、場所によって発音が異なります。

Guten Tag
グーテン ターク(こんにちは)

のように濁音になったり「ク」となるケースもあれば、

Ludwig のように語末に-igがくると、「イヒ」と読みます。

ややこしいですね😁

以前ドイツ人の友人に聞いたことがあるのですが、ドイツの子供も「g」の読み方を間違えるらしいです。

つまり、韓国版のタイトルは子供が間違って使う呼び方で、正しい読みは日本版の方です。

それにも関わらず、なぜオリジナルの韓国版がわざわざ「ルードウィク」としたのか?

韓国版を観劇した方の感想をみてみると、幼少時に甥カールがベートーヴェンを「ルードウィク」と呼び、成長したのち「ルードヴィヒ」と呼ぶシーンがあるようです。

史実において、ベートーヴェンと甥カールの関係は、少年~青年時代のカールにとって幸せとは言い難いものでした。

韓国版で「ルードウィク」とわざわざ子供時代のカールが呼んだ名前を用いたということは、ベートーヴェンを大音楽家という側面よりも、私生活で苦労した一人の人間を描きたい作品なのかと個人的には思っています。

オリジナルで「ルードウィク」としたものを、日本版で「ルードヴィヒ」にした理由があるのか?ないのか?

個人的にとても気になっているポイントです。

ベートーヴェン豆知識

難聴

ベートーヴェンは、20代半ばから聴力に変調をきたし、20代後半から徐々に悪化します。精力的に作曲活動を行っていた時期で、聴力の低下は音楽家にとって致命的。誰にもこの事実を知られてはならないと、必死に病を隠そうとします。

発症間もない頃、音楽は聴こえても人の話す言葉は理解できず、本来、社交を好んだベートーヴェンは、人と距離を置き孤独な生活を強いられます。そして47歳で完全に聴力を失います。

難聴の原因は諸説あり、耳硬化症、梅毒、神経性難聴、鉛中毒、幼少時の父からの折檻などがあげられます。

遺書

ベートーヴェン31歳の時、「ハイリゲンシュタットの遺書」と呼ばれる手紙を2人の弟宛てに出しています。

音楽家にとって最も大切な聴覚を失いその絶望から死を思うも、困難を乗り越えようとするベートーヴェンの心の葛藤が綴られています。

遺書と呼ばれていますが、今までの自分と決別しこの困難を乗り越えていく強い意志に満ちた内容でもあり、ハイリゲンシュタットの遺書を書いた以降、1803年から約10年に渡り、多くの傑作を次々と産み出し、後にフランスの作家ロマン・ロランがその時期を「傑作の森」と名付けます。

甥カール

ベートーヴェンの弟カスパールは、妻ヨハンナとの間に一人息子のカールがいました。ベートーヴェンは、ヨハンナを不道徳で母として不適格と考え、カールの親権を争い、母親からカールを取り上げます。この時カール9歳。ベートーヴェンはカールを寄宿学校に入学させ、母との接触を妨害。ベートーヴェンなりにカールをしっかりと育てたかったのかもしれませんが、やり方が一方的でカールには重く心の負担となります。

ベートーヴェンはカールを音楽家にしようとしますが、カールは軍人になることを希望。2人の争いは続き、ある日、カールはピストル自殺を図ります。一命をとりとめましたが、ベートーヴェンに大きなショックをもたらし、以降、カールの意志を尊重するようになります。

不滅の恋人

ミュージカル『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』では、男女の愛情ではない「不滅の恋人」が登場します。

史実ではベートーヴェンの死後、ベートーヴェンが「不滅の恋人(Unsterbliche Geliebte)」へ充てて書いた手紙が発見されました。彼の不滅の恋人が誰なのか有力視されている人物はいますが、現在に至るまで解明されていません。一体誰が不滅の恋人なのか、今でも時々テレビのベートーヴェン特集で取り上げられます。

ベートーヴェンの不滅の恋人をテーマにした作品は多く、日本でも舞台化されています。特に有名なものは、1994年の映画『不滅の恋/ベートーヴェン Immortal Beloved』(ベートーヴェン役:ゲイリー・オールドマン)でしょうか。この作品での不滅の恋人は、史実を考えると意外すぎる人物でした。

ちなみに、『不滅の恋/ベートーヴェン Immortal Beloved』は、フィクションが多くまざってはいますが、素晴らしいベートーヴェンの伝記映画で、現在生産されていないのが残念でなりません。

今でもテレビのベートーヴェン特集などでは、この映像が使われることもあるんですけれどね・・・