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韓国版ミュージカル『モーツァルト!』あらすじと曲紹介|2020年配信より⇒2021年12月再配信!

韓国ミュージカル『モーツァルト!』 第2幕

ここはウィーン/Hier in Wien!

ウィーンで評判となり始めるヴォルフガング。

ヴァルトシュテッテン男爵夫人はじめ貴族たちは

完璧な音楽・天才と称賛する一方、どうせ人気は一時だけという声も。

ここはウィーン。刺される前に手の甲に口づけする場所。

愛していればわかりあえる/Dich kennen heisst dich lieben

作曲を続けるアマデの横でコンスタンツェのことばかり想うヴォルフガング。そこに家を出てきたコンスタンツェが現れデュエット。

コンスタンツェの母セシリアと義父のトーアヴァルトが現れ、ヴォルフガングに結婚を強要。誓約書を結ばせ背いたら慰謝料を払うと約束させようとする。

しかしコンスタンツェは、「あなたを信じている」と誓約書を破り捨てる。

ヴォルフガングはコンスタンツェに求婚。

プリンスは出ていった/Der Prinz ist fort

ザルツブルクのナンネール。

「王子様(ヴォルフガング)は出て行った。王女はお城に残り笑顔を失い、いばらが窓を覆いつくした・・・」

「結婚したいけど、お父さんは貧しい彼との結婚を反対。私のために貯めたお金をあなたに渡した。」

「私の幸せはあなたに委ねられた。ここは息が詰まる」

嘆くナンネール。

レオポルトが現れ、「お前の姉さんは泣き続けている。結局、お前のせいで。お前は私たちを捨てた」「私たちはお前を待っている」と歌う。

友だち甲斐/ Der Prinz ist fort

姉の手紙を読み「そんなことはない」と、演奏会の収入を贈ろうとするヴォルフガング。

そこへ友人たちが遊びにやってきて「最近付き合い悪いな」と言う。

お金に気づいた友人が「貸して」というが、お姉さんに贈るからダメと断るヴォルフガング。

しかし新しい曲が出来、興奮して友人にそのお金を与えてしまう。

MEMO

日本版はシカネーダーがいるが、韓国版にはいない

ダンスはやめられない/Irgendwo wird immer getanzt

空っぽの、散らかった部屋に帰宅したコンスタンツェ。

「芸術家の妻だから彼にインスピレーションを与えなくてはいけない」
「でも日が暮れれば、私のための夜が始まるわ」
「どこかで開かれる舞踏会に踊りにいかなきゃ」

MEMO

自分の好きなように生きていくと強く歌うコンスタンツェ。最後、日本版は「インスピレーション与えなくては・・・」と消え入りそうに歌うが、韓国版はトーンをあげて歌うので、日本版と比較し本人の明確な意志を感じる。(ウィーン新演出版も同じくラストトーンが上がる)

神よ、なぜ許される/Wie Kann Es Moglich Sein?

ザルツブルク。コロレド大司教はモーツァルトの音楽的才能にあらためて驚嘆。自らが探求し続けてきた神の摂理が、音楽の魔術に敗北するとは。淡々と歌いながら嫉妬や羨望を表すコロレド。

アルコ伯爵に命じ、父レオポルトを呼ぶ。

そしてモーツァルトに恩赦を与えるからザルツブルクへ連れ戻せと命令。

しかし父レオポルトは、「息子は頑固な子で、そのような恩赦に値しません」

「私は、再び天才を生み出す事ができます」「孫のレオポルトは私の血が流れているから天才」と、答える。

自分の欲しい「モーツァルト」ではないと、コロレドはレオポルトは引き下がらせる。

天才は人間が作れるものではないとコロレドは分かっていた。

傲慢で無礼な男が作る音楽に、どうしようもなく惹かれる自分に気づく。

ウィーンのレオポルト/Stolz (Leopold in Wien)

父レオポルトはウィーンにやってくる。

皇帝からブラボーと言われ、息子は音楽的名声を手にしていた。

嬉しいでしょう?とヴァルトシュテッテン男爵夫人に言われ、「誇らしいです。しかし満足はしていません」とレオポルト。

「成功は自分だけのものなか」「傲慢だ」「私はあの子の影になった」「知らない人を見ているようだ」

自分が成功すれば父は喜んでくれるはずと信じていたヴォルフガング。思ってもいなかった父の反応に、どうすればよいかわからない。

思わず大切なアマデの小箱※を差し出そうとするが、父は箱を叩き落とす。その瞬間アマデが顔を覆う。

「知らない人の顔をみているようだ」「もう私に息子はいない」と言い残し、ウィーンを去るレオポルト。

MEMO

※アマデの小箱を、日本版演出の小池修一郎氏は「作品」と呼んでいます。ヴォルフガングにとって最も大切なもの。「才能」ですらレオポルトは拒絶したと受け取れます。


ヴォルフガングが演奏している時、レオポルトが曲に合わせて指揮をしていました。この時恍惚とした表情を浮かべ、ヴォルフガングに向けられた喝采を(自分のもののように)受け止めていたような・・・

息子の才能を自分のものにしたいのか?日本版にもウィーン版にもないレオポルトの仕草。

何故愛せないの?/Warum kannst du mich nicht lieben?

父親から完全に拒絶されたヴォルフガング。

「僕は信じている。喜びをわかちあうためにここにきた」

「立派な姿をみせたかったのに、僕に背を向けてしまった」

「僕の中にいる幼い子供の僕。その子も僕に問いかけてくる。どうしてこのままの僕を愛してくれないの?」

「もうごめんだ。天才のように生きるのは」
「僕は心の中にかわいいあの子をいつまでも大切にしまっておくよ」

「もう振り返らない。僕は自分の道を歩み続けたい」

MEMO

日本版でこの曲は、役者さんによっては父からの自立に目覚めるシーンに思えることがありましたが、韓国版3名のヴォルフガングは、成功しても父から完全に拒絶される孤独と絶望が凄まじかったです。


日本版は歌詞の始まりが「確かに僕は無責任・・・」。韓国版とウィーン版の始まりは「僕は信じている。喜びをわかちあうためにここにきた」。

愛していればわかりあえる(リプライズ)/Dich kennen heisst dich lieben(Reprise)

自宅でヴォルフガングを待つコンスタンツェ。戻ってきたヴォルフガングはソファに身を横たえる。

仮面舞踏会

2人を見ていたアマデが手を振りかざすと、仮面舞踏会が始まる(ヴォルフガングの夢)

ヴォルフガング「どんな問題でも解ける。でも僕には解けない人生の課題が1つ。」

「正解は愛。だが間違いだ」
「才能も成功も試したが違った」

仮面をつけた父レオポルトが登場し「明らかに私が与えたものをお前は捨てた。二度と手に入らないものー幸せだ」と突きつける。

父親に追いすがるヴォルフガング。

そこにヴァルトシュテッテン男爵夫人が現れ「人は誰でも自立する時があるのです」と告げる。

父の拒絶で夢の中で袋小路に陥ったヴォルフガング。才能の箱に自分自身が閉じ込められてしまう。

借金の手紙/Bettelbriefe

ウェーバー一家が金をせびりにくる。ヴォルフガングに無理矢理借金を依頼する手紙を書かせようとするが、「もう利用されるのは嫌だ」ヴォルフガングは断る。

パパが亡くなったわ/Papa ist tot

ナンネールが現れ、パパが亡くなったと伝える。

認められることなく父を失い打ちのめされるヴォルフガング。その彼にナンネールは「あなたを許さない」と追い打ちをかける。

「自分を責めないで」とコンスタンツェはヴォルフガングに寄り添おうとする。

モーツァルトの混乱/Mozarts Verwirrung

混乱したヴォルフガング。「代償を払うときが来た」

アマデと抱き合おうとすると…アマデがヴォルフガングの首をしめる。

「お前は家族を捨てた」
「あなたを心配しているのよ」
「母親を詩に追いやった。許さないぞ」

家族に浴びせられた言葉が、ヴォルフガングの口から出てくる。

コンスタンツェはヴォルフガングを止めようとする。

「お前のせいだ」とアマデを責めるヴォルフガング。

そこへヴァルトシュテッテン男爵夫人が現れる。

「芸術家になるということは、自らに打ち勝つすべてを知ること」

「金の星を見つけたいのなら、その星を求めて発つのよ。あなたを待つ世界に向かって」

ダンスはやめられない(リプライズ)/Irgendwo wird immer getanzt (Reprise)

シカネーダーが魔笛の台本を渡し、ヴォルフガングに作曲を頼む。

あずま屋(アウフ・デア・ヴィーデン劇場の裏庭)でシカネーダーや女優たちといると、コンスタンツェがやってくる。

バーデンへ一緒に行く約束したのに。もううんざり。と怒るコンスタンツェ。

ヴォルフガングは魔笛を作曲し、公演は成功する。

破滅への道/Der einfache Weg

魔笛の成功後、コロレド大司教が現れる。

コロレド「成功だな。しかし低俗な者に認められただけだ。群衆たちを追いかけるのは無駄だ。私の手を取りなさい。一緒に始めよう。」

ヴォルフガング「音楽はみなのものだ。干渉しないでくれ。」「神が下さったのはみんなのための音楽だ」

コロレド「お前は堕落している。才能がもったいない。」「父親のことを考えろ。何を望んでいたのか。音楽のことを考えろ。」
ヴォルフガング「あなたの慈悲も必要ない。僕の音楽は人々の拍手の中にある」

2人「どう生きるのか どう選択するのか どこへ向かうのか」「人生を決めるのはお前だ」

「楽な道はいつも間違っている」

MEMO

コロレドはヴォルフガングが「他の人とは違う」と認めていますが、2人の求めるのは異なり決裂。

レクイエムの依頼

謎の男が現れ、ヴォルフガングにレクイエムの依頼をする。

「お父さんのために?」「僕のために?」

MEMO

レクイエムとは鎮魂曲。死者のための曲。

実際に、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが灰色のマントをまとった謎の男から作曲の依頼を受けた作品。未完成のうちにモーツァルトが亡くなる。

モーツァルト!モーツァルト!/ Mozart, Mozart!

ヴォルフガングとアマデの周りで、人々がモーツァルトの音楽を称える。

ヴォルフガングは酒を飲み、アマデが作曲。アマデは時折ヴォルフガングに苛立つ。
そしてヴォルフガングがペンを取り作曲する。

MEMO

日本版で謎の男は「(レクイエムを)自分で書くのです!」と言い、アマデではなくヴォルフガングが作曲しようとする(が、書けない)

モーツァルトの死/Mozarts Tod

作曲を続けようとするヴォルフガングだが書けない。

「僕が書くレクイエム」「僕の曲」

筆をとったアマデ。インクが無くなり、ヴォルフガングの腕にペンを突き立て、ヴォルフガングの血を使って曲を書き続けようとする。

しかし血はもうでない。

「諦めろ」「もっと血が欲しいなら心臓を突き刺せばよかった」
「それで僕は終わる」「お前も一緒に」

ペンを持つ腕を振り上げていたアマデは腕を降ろす。

 

「王子は王になったそうだ。でも僕は何を手に入れた?」
「金の星を探しまわり その光に焼き尽くされた」

「♪僕こそ音楽(ミュージック)」を再び歌うヴォルフガング。

「僕は自分の持っているものを すべてささげて与えた」
「僕の幼き頃 そして 僕のお姉さん 僕のお父さん 僕の愛」

 
アマデを抱こうとするヴォルフガング
アマデはヴォルフガングの心臓にペンを突き刺す

そして二人は息絶える

 

セシリアが現れ、お金の入った袋を見つける。(中身はない?)

MEMO

セシリアは日本版ではお金をとっていく

再び冒頭の墓場のシーン。

ドクトル・メスマーは骸骨を発見する。すると近くに「もう一つ骸骨があった。

MEMO

日本版で見つかるのは一つの骸骨のみ。ウィーン新演出版ではラストの墓場のシーンなし

影を逃れて(フィナーレ)/Wie wird man seinen Schatten los? (Finale)

ナンネールがアマデの小箱を舞台中央に置き蓋を開ける。

周りには楽譜が散らばっている

「♪影を流れて」のコーラスが始まる。
韓国版は最初テンポゆっくりで、徐々に早くなる。

コーラスの姿はなし。ヴォルフガングが一人舞台を歩く。

そして、左右から小さな子(アマデ?幼少のヴォルフガング?)とレオポルトが現れ、2人は抱き合う。

MEMO

韓国版の最後の抱擁シーン・・・

小さい子は、アマデなのか父に愛してもらいたかった幼いヴォルフガングなのか

解釈はいろいろできそうですが、一つの答えが今回ヴォルフガング役を演じたキム・ ジュンスさんのインタビュー記事

「私が二人を眺める感情は死ぬ瞬間の歓迎です。死ぬ直前に見て、おそらく天才ではなく、「子供モーツァルト」という気がします」

カテコ

最後、全員で黄金星(星から降る金)を合唱。

アマデ役の子役がしゃべり、父レオポルトのマイクを使って歌い始めます。感涙。

4度目に観た時、合唱が終了後に星が降ってきたことに気づきました。

「彼は星のように地球へ落ちてきた」「黄金星」・・・

最後の最後まで素敵な演出でした!

ミュージカル『モーツァルト!』韓国10周年記念公演 関連動画

プロモーション動画


キャスト全員で歌う「黄金の星」(=星から降る金)
各回カテコでも歌われました。泣けます。

ヴォルフガングからコメント!


キム・ジュンスさんより


パク・ガンヒョンさんより

「影を逃れて」byキム・ジュンス

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