2021『メリリー・ウィー・ロール・アロング』基本情報※あらすじ・登場人物、曲・キャスト・作品紹介

ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング(Merrily We Roll Along)』が2021年5月上演予定です。主演3人は、平方元基さん、笹本玲奈さん、ウエンツ瑛士さん

『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は1981年ブロードウェイ初演。2013年には宮本亜門氏演出で日本初演。日本初演時はオールキャスト20代でしたが、今回主役3名は30代半ばの同い年。

記事内の「初演『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の失敗」で触れていますが、物語の始まりに近い年齢の役者さんが演じることが、今回はもしかしたら見所の1つになるのかもしれません。

📀メリリー・ウィー・ロール・アロングはこんな作品📀

  • 友人3人をめぐる成功と挫折、友情と決別の話
  • なぜ決別したのか?過去20年を時系列逆さまに辿るストーリー
  • (難解と言われるソンドハイムの音楽だが)この作品は軽快で耳なじみの良い曲が多い
  • 1981年初演は、ソンドハイムxハロルド・プリンスのゴールデンコンビで成功確実と言われながら16公演で打ち切り
  • 2021年ホリプロ上演の当作品はマリア・フリードマン演出によるものでオリビエ賞受賞作品

きねちゃん

物語がすすむごとに時間が戻る<逆再生ストーリー>です。理解が難しい部分もあるかもしれませんが、過去に遡るからこそ切なさと感動が増し、心に深く残る作品です。

基本情報

原作/作曲・作詞/脚本/演出など

原作:ジョージ・S・カウフマンとモス・ハートによる戯曲(1934年ストレートプレイにて初演)
作曲・作詞:スティーブン・ソンドハイム
脚本:ジョージ・ファース
演出:マリア・フリードマン
振付:ティム・ジャクソン
美術・衣裳:スートラ・ギルモア

初演(1981年)演出:ハロルド・プリンス

スティーブン・ソンドハイム代表作
ウエスト・サイド・ストーリー(作詞)、カンパニー(作詞・作曲)、リトル・ナイト・ミュージック(作詞・作曲)、太平洋序曲(作詞・作曲)、スウィーニー・トッド(作詞・作曲)、ジョージの恋人(作詞・作曲)、イントゥ・ザ・ウッズ(作詞・作曲)、パッション(作詞・作曲)など 

日本初演(2013年)

日本初演時タイトル:『メリリー・ウィー・ロール・アロング ~それでも僕らは前へ進む~』
演出:宮本亜門
日本初演出演:小池徹平(チャーリー)、柿澤勇人(フランク)、宮澤エマ(メアリー)、ICONIQ(ガッシー:フランクの妻)、高橋愛(ベス:フランクの前妻)、上山竜司、広岡友祐、海宝直人、菊地創、山田宗一郎、上條駿、小此木麻里、関谷春子、皆本麻帆、万里紗、大西統眞/大東リッキー

上演時間(未定)

わかり次第記載

公演スケジュール&劇場


公演期間公演会場
2021年5月17日(月)~5月31日(月)新国立劇場 中劇場(東京)
アクセス


※名古屋・大阪公演あり。(詳細未定)

『メリリー・ウィー・ロール・アロング』あらすじ

1976年ロサンゼルス。

フランク(平方元基)はハリウッドで成功を収めた有名な映画プロデューサー。彼の豪邸では最新映画の成功を祝い華やかなパーティーが催されている。

そこに紛れ込んだ一人のアルコール依存症の女性メアリー(笹本玲奈)。メアリーはフランクの20年来の友人で元ベストセラー作家の舞台評論家。

パーティーの最中、ピューリッツァー賞受賞の脚本家チャーリー(ウエンツ瑛士)の話題が出ると、メアリーは「私たち3人は昔親友同士だったのよ!」と叫ぶ。メアリーは、フランクがかつて音楽を愛し作曲家になろうとしていたのに、次第に音楽よりも成功する事ばかりとらわれたと批判。

メアリーはパーティーから追い出されてしまうが、彼女の言葉がフランクに突き刺さる。

 

妻ガッシー(朝夏まなと)とフランクの仲は冷え切り、ガッシーは夫の愛人に嫌がらせ。

富や名声を手に入れ成功を収めてはいるものの、フランクは大切なものをどこかに捨ててしまったことに気づく。

なぜこうなってしまったのか?どこで間違えたのか?
フランクは過去へと遡っていく。

かつて作曲家として成功を夢見た自分。フランクとチャーリーでショーを作り、メアリーが劇評を書いて宣伝。同じ夢を追っていた親友3人。しかし「音楽」「成功」と方向性にズレが生じ、決裂。

旅から戻りチャーリーとメアリーと確かめ合った友情
前妻ベス(昆 夏美)との出会い
ベスが主演の小さなナイトクラブでのショー
プロデューサー・ジョー(今井清隆)と憧れだった大女優ガッシーとの出会い
ベスとの辛い離婚調停

あの時の選択は正しかったのか?間違っていたのか?

記憶を巻き戻し最後に辿り着いたのは20年前。
チャーリーとメアリーと出会い、決意したあの瞬間。

登場人物&キャスト

キャスト表


登場人物キャスト
フランク平方元基
メアリー笹本玲奈
チャーリーウエンツ瑛士
ガッシー(フランクの妻)朝夏まなと
ベス(フランクの前妻)昆 夏美
プロデュ-サーのジョー今井清隆


岸祐二、上口耕平、渚あき、中別府葵、宮原浩暢 (LE VELVETS)、中井智彦、井阪郁巳、家塚敦子、三木麻衣子、森 加織

フランク

かつて名もない作曲家だったが音楽を心から愛し、チャーリーとメアリーの3人で世界を変える作品を作ろうと誓っていた。しかし富と名声を求め、映画プロデューサーになる。

メアリー

フランクの20年来の友人。作家でベストセラーを出したのち舞台評論家に。

チャーリー

フランクの親友で仕事のパートナーだった作詞家・脚本家。ブロードウェイに留まる。

ガッシー

フランクの妻でスター女優。フランクと出会った時、大物プロデューサー・ジョーの妻だった。

ベス

フランクの前妻。フランク達のショーのオーディションで、フランクと恋に落ち結婚。

ジョー

ブロードウェイの大物プロデュ-サー

初演『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の失敗

1981年ブロードウェイで初演を迎えたミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は、成功確実と言われていました。

なにせ作品を手掛けたのがミュージカル界の巨匠2人。当時グラミー賞4回受賞(現在まで8回受賞)、トニー賞5回受賞(現在まで8回受賞)のスティーヴン・ソンドハイム、そして当時トニー賞18回受賞(生涯において21回受賞)のハロルド・プリンス。

この2人が組めば必ずヒットするといわれ、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』も同様に思われていました。

しかしながら、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は2か月半のプレビュー後、16公演でクローズと失敗に終わります。プレビュー中には主演の交代もありました。

失敗の理由として、

時間を遡る話が難しかった
若い役者(16~25歳)が40歳以上を演じるのが難しかった

などが挙げられています。

🌙時間を遡る話・・・確かに私が宮本亜門氏の日本初演版をみたとき、わかりやすく作られていたと思うのですが、予習なしで見た初回は、理解するのが大変だった記憶があります。

ただ舞台には感動して、その感動の理由は「過去に遡る話だったから」もあるんですよね。遡ることで、時間を取り戻せない切なさが一層増したというか。

2回以上観劇した方が理解度が深まるのは間違いないですが、これから観劇する方は、数年ごとに「どうしてこんなことに?」「どこでボタンを掛け違えたのか?」と、分岐点が現れ20年前に遡っていく話、と頭に入れておくと、初回でもわかりやすいのではと思います。

 

🌙もう1つの失敗理由、若い役者が40歳以上を演じることについてですが、20年の歳月を掛けたストーリーなので、演技の難しさがあったのかもしれないです。

でも成功を手にしたけれど色々なものを失った40代から、希望と可能性に満ちた20代に向かっていくストーリーなので、「若さ」を起用したかった事がよく理解できる作品です。

ハロルド・プリンスは、ラストシーンで若者の生き生きとした生命力を表現したいがため、新聞でオーディションを告知しフレッシュな役者を探したそうです。オーディション合格者の中には、舞台未経験の素人も選ばれています。

宮本亜門版の日本初演もキャスト全員20代。やはりこれもクライマックスに若さの希望やエネルギーをもっていきたかったからでしょう。

今回2021年の『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は、メインキャスト3名全員が同い年と、ホリプロ公式が宣伝。

平方元基さん、笹本玲奈さん、ウエンツ瑛士さんは3名とも現時点で30代半ばです。

ストーリーの始まりに近い年齢だからこそ時間が遡っていく展開により納得感が増し、大きな見所になりそうです。

また20代の勢いは?なんて心配のない、個人的に信頼しかないキャストさん達です。

繊細で情熱的な素晴らしいお芝居を見せてくれるはずと確信しています!

尚、今回上演されるのは、ハロルド・プリンス演出、宮本亜門演出ではなく、2014年にイギリス最大の演劇賞ローレンス・オリビエ賞を受賞したマリア・フリードマンの演出によるものです。

失敗エピソードが、ドキュメンタリー映画『ベスト・ワースト・ストーリー』に

『メリリー・ウィー・ロール・アロング』初演の失敗は語り継がれるようになり、ある意味伝説になります。

この時の失敗エピソードが、オリジナルキャストのインタビューなどを元にしたドキュメンタリー映画『ベスト・ワースト・ストーリー(Best Worst Thing That Ever Could Have Happened)』(2016年)になりました。

当時16~25歳の若者が、巨匠スティーブン・ソンドハイムとハロルド・プリンスが手掛ける新作ミュージカルのオーディションに合格。どれほど喜び興奮したことか。

しかし待ち受けていたのは、プレビュー中の主役交代、厳しい批評、そしてあっという間のクローズ。

その後メンバーはそれぞれの道を歩みます。障害者支援施設に勤務する者、ウェイトレスの仕事に戻る者、演劇界に戻るも主役の座は戻らず演出家になる者。メンバーの中には名わき役として活躍するジェイソン・アレクサンダーもいますが、多くは演劇の世界から離れます。

ミュージカルから21年。もう一度再結成する話が持ち上がり、チケットは数日で完売。ソンドハイムも駆けつけ幕が上がる・・・

『ベスト・ワースト・ストーリー』は当時のことを振り返るドキュメンタリーなのですが、希望に満ちた若者たちの「その後」は、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のテーマと深くリンクします。

特にドキュメンタリー映画の終わり方は、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』そのものに思え、最後は涙なしでは見られないです。

Netflixで見られるので、舞台観劇前後(完全ネタバレ避けたい人は観劇後)に。

https://www.netflix.com/jp/title/80132964

20年かけて『メリリー・ウィー・ロール・アロング』を映画化!

2019年、映画『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督が、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』を20年かけて映画化すると報じられました。

主演の3人は、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』、『Glee/グリー』のブレイク・ジェンナー(フランク役)、『レディ・バード』のビーニー・フェルドスタイン(メアリー役)、そしてミュージカル『ブック・オブ・モルモン』、映画『ピッチ・パーフェクト』、ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』で主役を務めトニー賞受賞したベン・プラット(チャーリー役)の予定。

『6才のボクが、大人になるまで。』をリチャード・リンクレイター監督は、2002年の夏から2013年の10月まで12年間かけて断続的に撮影していますが、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の撮影計画は20年!各場面、全9回の撮影が予定されているそうです。

参考:https://www.indiewire.com/2019/10/ben-platt-the-politician-richard-linklater-merrily-we-roll-along-1202180810/

ソンドハイムとジョナサン・ラーソン
 大ヒットミュージカル『RENT』のジョナサン・ラーソンが、ソンドハイムを崇拝していたのは有名な話。ソンドハイムは『カンパニー(Company)』(1970年)で、かつてのミュージカル作品では見られなかった、人間の心をストーリーとして表現し、当時としては斬新で多くの人に驚きを与えます。


『カンパニー』の影響を受けた作品の一つがジョナサン・ラーソンの『RENT』と言われていますが、『RENT』の前にジョナサンは、アーティストの挫折や希望を描いた『tick, tick…BOOM!』(チック・チック・ブーン!)を製作しており、こちらにも、ソンドハイムの『カンパニー』、そして『メリリー・ウィー・ロール・アロング』への影響が見られます。


『RENT』ファン、もしくは『tick, tick…BOOM!』を観劇したことがある方は、当作品で共通点が発見できるかと思います。

ミュージカルナンバー

『メリリー・ウィー・ロール・アロング』曲

ブロードウェイ初演時のセットリスト↓オリジナルキャストによる収録アルバムを参考にしています。

当作品はソンドハイムによって何度か変更され、ニューキャストによる収録アルバム等もあります。(次の項目参照)


タイトル
一幕
Overture
The Hills of Tomorrowカンパニー
Merrily We Roll Along(1980)カンパニー
Rich and Happyフランク、ゲスト
Merrily We Roll Along(1979-1975)カンパニー
Old Friendsメアリー、チャーリー
Like It Wasメアリー
Merrily We Roll Along(1974-1973)カンパニー
Franklin Shepard, Inc.チャーリー
Old Friends(Reprise)フランク、チャーリー、メアリー
Not a Day Goes Byフランク
Now You Knowメアリー、カンパニー
ニ幕
It’s a Hit!
フランク、メアリー、チャーリー、ジョー
Merrily We Roll Along(1964-1962)カンパニー
Good Thing Goingチャーリー、フランク
Merrily We Roll Along(1961-1960)カンパニー
Bobby and Jackie and Jackチャーリー、ベス、フランク、テッド
Not a Day Goes By (Reprise)フランク、メアリー
Opening Doorsフランク、チャーリー、メアリー、ジョー、ベス
Our Timeフランク、チャーリー、メアリー、カンパニー
The Hills of Tomorrow (Reprise)カンパニー

CD、ストリーミング等※試聴可能

1981ブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤

1981年のオリジナルブロードウェイキャスト。公演打ち切りが決まった後、収録に臨んだアルバムでした。

試聴可能

Merrily We Roll Along: Original Broadway Cast Recording

1994キャスト盤

試聴可能

Merrily We Roll Along: The New Cast Recording (1994 Off-Broadway Revival Cast)

2012キャスト盤

試聴可能

Merrily We Roll Along

チケット

3月上旬販売(予定)
料金

S席:12,800円
A席:7,500円
(全席指定・税込)

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