2021年東宝ミュージカル『マリー・アントワネット』あらすじ・曲・キャスト・豆知識

2021年東京渋谷の東急シアターオーブ、で、大阪の梅田芸術劇場メインホールでミュージカル『マリー・アントワネット(MA)』が上演されます。この作品は、『ベルサイユのばら』『1789-バスティーユの恋人たち-』『スカーレット・ピンパーネル』などと同じくフランス革命を扱った作品です。作詞作曲は『エリザベート』『モーツァルト!』のミヒャエル・クンツェさん、シルヴェスター・リーヴァイさん。

2021年公演スケジュール


公演期間公演会場
2021年1月28日~2月21日東急シアターオーブ
2021年3月2日~3月11日梅田芸術劇場メインホール

 
📀ミュージカル『マリー・アントワネット』はこんな作品📀

  • フランス革命を題材にしたミュージカル
  • 原作は遠藤周作氏「王妃マリーアントワネット」
  • 史実とフィクションを交えた歴史大河ロマン
  • 王妃マリー・アントワネットと貧しい少女マルグリット・アルノー、2人の「MA」を軸に物語がすすむ
  • 「首飾り事件」が取り上げられている
  • 綺麗ごとが排除され、革命がもたらさす矛盾や残酷さが描かれている

きねちゃん

正義とは何か?善と悪とは何か? 歴史のうねりの中で今なお変化していく価値観を突きつけられるような作品です。

基本情報

原作/脚本/歌詞/音楽/演出/製作

原作:遠藤周作「王妃マリー・アントワネット」
脚本/歌詞: ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲: シルヴェスター・リーヴァイ
演出
新演出版2018年~:ロバート・ヨハンソン
(旧演出版2006年~2007年:栗山民夫


王妃マリーアントワネット(上) (新潮文庫)

初演は2006年東京帝国劇場。福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場での公演を経て再び2007年帝国劇場での凱旋公演が行われました。日本上演後、ドイツ、韓国、ハンガリーでも上演。

東宝の新演出版『マリー・アントワネット』は、韓国で2014年に初演を迎えたロバート・ヨハンソン氏演出版です。

2018年の公演を観たときは、再び日本にMAが帰ってきたというより、別作品がやってきた!という印象でした。

上演時間(東宝新演出版)

3時間(休憩含む)

作品特徴

作品特徴
娯楽
(2.0)
悲劇
(5.0)
ラブ
(5.0)
ノンフィクション
(4.0)
子供向け
(1.0)
ダンス
(1.0)

物語の舞台:フランス
演奏:オーケストラ(生演奏)

ミュージカル『マリー・アントワネット』あらすじ

きねちゃん

ミュージカル『マリー・アントワネット』の初演は2006年。のちに演出が変更され、旧演出では”民衆のパワーを代弁するマルグリット・アルノーから見たマリー・アントワネット”という側面が強かったのですが、新演出では”フェルセンが語る、時代に翻弄されながら人間として成長していくマリー・アントワネット”と”2人のMAの変化”が物語の柱になったように思います。

一幕

スウェーデン貴族・フェルセン伯爵のもとに、フランス王妃マリー・アントワネット処刑の知らせが届く。全てを賭して命を救おうとした、愛する女性の死に打ちのめされるフェルセン伯爵。彼は過ぎし日を回顧する。

18世紀末フランスのパリ。

国王ルイ16世の統治下、フランスは財政難に陥っていた。にもかかわらず、王妃マリー・アントワネットをはじめとする上流階級の貴族たちは豪奢な生活を送り、飢えと貧困に苦しむ民衆の不満は膨れ上がった。

パレ・ロワイヤルでは国王の従兄弟であるオルレアン公主催の舞踏会が開かれていた。豪華な舞踏会で圧倒的な美を誇るマリー・アントワネットは、アメリカ独立戦争から帰ってきたスウェーデン貴族・フェルセン伯爵と再会する。許されない関係ながらも愛し合う2人は束の間の逢瀬を楽しんでいた。

そこへ舞踏会に忍び込んだ貧しい娘マルグリット・アルノーが突然現れる。

マルグリットは、民衆の苦しい生活を王妃に訴え、貴族たちに救いを求める。しかし王妃マリー・アントワネットには、マルグリットの言っていることを理解できず、マルグリットは貴族の誰からも相手にされなかった。

マルグリットは、貧しい人々に目を向けず、自分たちのことしか考えない貴族に怒りを覚える。そんなマルグリットの様子をオルレアン公がじっと見つめる。

そして彼女に近づく一人の男ー革命派の詩人ジャック・エベール。エベールは、国王夫妻の失脚を望むオルレアン公と組んでいる人物だった。

彼らのもくろみとマルグリットの貴族や王妃への憎しみが、マルグリットを革命の道へと進ませる。

アメリカ独立戦争に従軍し革命が起こる様をこの目でみてきたフェルセンは、愛するマリーに革命の危機が迫っていると忠告するが、夢の世界に住むマリー・アントワネットにその声は届かない。

マリー・アントワネットは、お気に入りのヘアドレッサーのレオナール、衣裳デザイナーのローズ・ベルタンを抱え込み、寵愛するランバル公爵夫人と伴にファッションの追求に余念がない。

ある日宝石商べメールから、豪華なダイヤモンドで埋め尽くされた首飾りを売り込まれる。そのまばゆさに心惹かれる王妃だが、国家予算が逼迫する中さすがに購入は見合わせた。

王位を狙う国王の従兄弟オルレアン公、革命派の詩人ジャック・エベール、そしてマルグリットたちは、先の首飾りを使って、王妃の権威を落そうとたくらむ。

お膳立てに使われたのはフランス最高位の聖職者ロアン大司教。王妃マリー・アントワネットから疎まれていたロアン大司教は、出世のために王妃との関係改善を願っていた。

オルレアンたちはロアン大司教を愛人ラ・モット夫人を通じて騙し、マリー・アントワネットの要望としてベメールの首飾りの代理購入をさせる。

ロアン大司教は、仮装したマルグリットを王妃マリー・アントワネット本人と思い込み、首飾りを渡す。のちに首飾りの代金が支払われないことに業を煮やした宝石商べメールにより、詐欺事件が発覚。

ロアン大司教は騙された側だったが、マリー・アントワネットは自分が侮辱されたと憤り、ロアン大司教の逮捕を国王に命じさせる。

マリー・アントワネットも被害者だが、フランス最高位の聖職者で、王に次ぐ立場のロアンを逮捕させたことで民衆の怒りを買う。

ここぞとばかり、「大司教をおとしめたのは王妃だ」と嘘を叫ぶオルレアン、エベール、マルグリット。ロアン大司教は無罪放免され、喜びに沸く民衆。そして興奮に沸く民衆をさらに扇動するマルグリットたち。

二幕

オルレアンは、王になるには世論を支配すれば良いと、王妃の噂を新聞でばらまき、民衆の希望や欲望を操ろうとする。マルグリットは女たちにヴェルサイユへの行進を呼びかけるが女たちは無駄だと動かない。結局オルレアンが金を与え、マルグリットを先頭に女たちはヴェルサイユ宮殿へ向かう。

国王一家は捕らわれる。ヴェルサイユからパリへ移され、マルグリットが一家の監視役になる。敵対関係にあったマリー・アントワネットとマルグリットだが、近くで過ごすうちに互いの真実を見出していく。

国王一家を救うべく脱出計画を立てるフェルセン。彼のお膳立てで国王一家はパリを脱出する。しかしフランス東部の小さな町ヴァレンヌで捕まり、パリのタンプル塔に幽閉されてしまう。

再び国王一家を監視するマルグリット。彼女にマリー・アントワネットはフェルセンへのラブレターを彼に渡してほしいと頼む。

革命後、兄弟や親しい貴族たちは国王夫妻から離れていったが、ランバル公爵夫人はマリー・アントワネットに付き添い国王一家と行動を伴にしていた。

しかし暴徒に襲われランバル公爵夫人は命を落とし、やがてルイ16世はギロチンで処刑され、息子は革命派に連れ去られる。

王妃マリー・アントワネットに対し公開裁判が行われる。嘘の証言がでっちあげられ、死罪が確定し、マリー・アントワネットは断頭台の露と消える。

マルグリット自身もジャコバン党のロベスピエールから反逆の証拠を隠蔽の罪を問われる。マルグリットはマリー・アントワネットがフェルセン宛に書いた手紙の存在をエベールに伝えていた。

マルグリットは告発すべきことがあると認める。

貴族や王妃への憎しみを原動力に、正義のため、弱いもののため行動してきたマルグリットだが、全てを奪われる等身大の王妃を目の当たりにして、真の正義とは何か、この世界を変えるために必要なものは何か、自分に問いかける。

初演のあらすじはこちら↓
ミュージカル「マリー・アントワネット」旧演出(初演/凱旋公演)あらすじと曲

登場人物&キャスト

注意:人物紹介は個人的な感想が含まれます。

2018年・2021年キャスト表


2018年2021年
マリー・アントワネット
フランス王妃
花總まり
笹本玲奈
花總まり
笹本玲奈
マルグリット・アルノー
もう一人のM.A.(架空の人物)
ソニン
昆夏美
ソニン
昆夏美
フェルセン伯爵
スウェーデンの名門貴族
田代万里生
古川雄大
田代万里生
甲斐翔真
オルレアン公
王の従兄弟
吉原光夫 上原理生
小野田龍之介
ルイ16世
フランス国王
佐藤隆紀
原田優一
原田優一
レオナール
結髪師
駒田一駒田一
ローズ・ベルタン
衣装デザイナー
彩吹真央彩吹真央
ジャック・エベール
革命家でジャーナリスト。ミュージカルでは詩人として登場
坂元健児上山竜治
川口竜也
ランバル公爵夫人
王妃の親友
彩乃かなみ彩乃かなみ
ロアン大司教
フランス最高位の聖職者
中山 昇中山 昇
べメール
宝石商
中西勝之中西勝之
ギヨタン博士
処刑にギロチンの使用を提案※
松澤重雄朝隈濯朗
ロベスピエール
革命家
青山航士青山航士
ダントン
革命家
杉山有大原 慎一郎
ラ・モット夫人
ロアン大司教の愛人
真紀子家塚敦子

その他、2021年キャスト
荒田至法、石川 剛、榎本成志、小原和彦、川口大地、扇国 遼、横沢健司、りんたろう、天野朋子、石原絵理、今込 楓、岩﨑亜希子、大竹萌絵、島田 彩、堤 梨菜、遠山さやか、舩山智香子、山中美奈、吉田玲菜

※ギヨタン博士がギロチンを発明したと言われていますが、似たような装置は以前からあり、ギヨタン博士は人道的立場から、苦痛なく処刑できるように機械的な装置を導入することを議会に提案した提案者。

マリー・アントワネット:花總まり/笹本玲奈(Wキャスト)

フランス王妃でルイ16世の妻。オーストリアのハプスブルク家から政略結婚で14歳の時フランス王家に嫁ぐ。財政難によりパンも食べられない生活を国民が送る中、贅沢を辞めず、また敵国出身の王妃であることから「オーストリア女」などと呼ばれる。しかしフランス革命が起こり苦しい立場、逆境において毅然とした王妃らしさをみせる。

MEMO
演出変更により、マリー・アントワネットの描写が大きく変わりました。旧演出では、民衆の代表マルグリット・アルノーの目を通したマリー・アントワネット像が描かれ、高慢で嫌な人物でした。オルレアンの舞踏会ではマルグリットにシャンパンをかける”洗礼”をし、軽薄な笑い声を立てます。新演出版では王妃がマルグリットにシャンパンをかけられ、その後「許します」と(王妃なりの)慈悲の心を見せるのとは対照的です。高みから落ちていくのが旧演出のマリー・アントワネット。


一方、新演出では、王妃を愛するフェルセンが語るマリー・アントワネット像であり、無知であるがゆえに時代の波に翻弄されていく王妃像。革命を通し自分が何者なのか気づく姿が描かれています。

花總まり(はなふさ まり)


生年月日 1973年2月28日
出生地 東京都
身長 163cm
血液型 O型
愛称 花ちゃん、お花様

宝塚時代『ベルサイユのばら』、東宝『1789-バスティーユの恋人たち-』、そして『マリー・アントワネット』と、マリー・アントワネットを何度も演じている花總まりさん。内側からあふれ出る気品や可憐さがまさにマリー・アントワネット。当作品では屈託のない夢見る少女のようだった女性が、革命後の度重なる悲しみを経て、誰にも壊すことができない王妃の気高い姿を、私たち観客に見せます。

笹本玲奈(ささもと れいな)


マルグリット役の昆夏美さん、フェルセン役の古川雄大さんと。

生年月日 1985年6月15日
出生地 千葉県
身長 165cm
血液型 O型

初演の『マリー・アントワネット』でマルグリット・アルノーを演じ、第32回菊田一夫演劇賞最年少受賞。新演出では王妃の享楽的な生活をWキャストの花總まりさんは無邪気に演じていますが、笹本玲奈さんは現実をある程度みえている上で「今」を楽しみたいと感じられる大人の女性に感じました。息子を奪われるシーンは演技とは思えないほど、胸が引き裂かれます。

マルグリット・アルノー:ソニン/昆夏美(Wキャスト)

もう一人のMAで新演出版ミュージカルで唯一架空の人物。マリー・アントワネットと一歳違い。かつてストラスブールで働きづめの毎日だったマルグリットは、ハプスブルク家からフランスへ嫁いできたマリー・アントワネットの豪華絢爛な馬車をみる。(ストラスブールは婚礼の際のマリー・アントワネット引き渡しの土地。身に着けているもの全てフランスのものに変えた話が有名) 王女でちやほやされるマリー・アントワネットと、毎日叩かれ働く自分(マルグリット)を比較し、憎しみの芽が育ち始める。その後パリへやってきたマルグリットはオルレアン公の宮殿で王妃や貴族に庶民の窮状を訴えるも無視され、革命の道へとすすむ。

MEMO
マルグリットはこの時代を生きた名もない民衆の意識そのものです。旧演出はマルグリット・アルノー目線の話なので、彼女が革命へと突き進む理由が新演出よりも詳しく描写されていました。


旧演出では、マルグリットがお世話になった売春宿の女主人が王妃の命令で公開鞭打ちの刑を受けます。自分の目の前で恩人を救えなかった絶望感が、マルグリットを革命へと駆り立てる姿が描かれていました。新演出版はマルグリットの革命へ進む動機がわかりづらいかもしれません。


以下、キャラクターについてのネタバレがあります。



ソニン

生年月日 1983年3月10日
出生地 高知県
身長 159cm
血液型 O型

『1789』など革命物の作品、かつ革命側として参加しているイメージが強いソニンさん。当作品でも革命を起こすマルグリット役。しかし良い意味で2018年公演は期待を裏切られました。マリー・アントワネットに対し憎しみに狂った獣のような感情を抱いていたのに、そのマリー・アントワネットが、自分が正しいと信じる革命側に不当に扱われていく。「自分が望んでいた革命がこういうものだったのか」とマルグリットの揺れる感情や絶望が強く伝わり、作品最後の問いかけにつながるものでした。

昆夏美(こん なつみ)

生年月日 1991年6月28日
出生地 東京都
身長 155cm
血液型 O型

強い怒りを「正義」にのせ、革命こそが正しいと信念を持ち突き進むのが昆夏美さんマルグリット。とても強いマルグリットに見えますが、その強さは少女が一人生きていくのに必要に迫られて身に着けた強さで、その仮面の下にはマルグリットの孤独な叫びが隠されているように感じます。フェルセンの優しさとマリー・アントワネットがみせる母性に、頑なだったマルグリットの心に変化が訪れ、マルグリット本人が気づいていなかった本当の優しい姿が垣間見れます。

フェルセン伯爵:田代万里生/甲斐翔真(Wキャスト)

スウェーデンの名門貴族。決して結ばれることのないフランス王妃マリー・アントワネットただ1人を愛す。最後まで国王一家を救おうと奔走する。

MEMO
旧演出に比べ存在感が最も大きくなった人物。新演出版はフェルセンにとってのマリー・アントワネットの物語でもあるため、フェルセン目線になることが多く、2人のデュエットも増えました。
田代万里生(たしろ まりお)


マリー役の花總まりさんと

生年月日 1984年1月11日
出生地  長崎県
身長 177cm
血液型 A型

美声に加え歌も素晴らしく(芸大声楽科テノール専攻卒業)、立ち姿は美しく貴族的。ジェントルマンで、マリー・アントワネット自身を愛するのはもちろん、彼女の夫含め王妃をとりまく全てを愛する田代さんフェルセン。2018年のWキャスト古川雄大(ふるかわ ゆうた)さんフェルセンが、国王一家を守りたいというより、とにかくマリー・アントワネットを愛し彼女を守りたいという印象だったのに対し、田代さんは王妃という立場含めて全てを守りたい騎士、と思えました。

甲斐翔真(かい しょうま)/初出演

生年月日 1997年11月14日
出生地  東京都
身長 185cm
血液型 B型

MA初出演。『仮面ライダーエグゼイド』のパラド / 仮面ライダーパラドクス役としてテレビドラマ初出演。舞台出演は『デスノート THE MUSICAL』主演 ・夜神月 役、『RENT』ロジャー役(予定)。私は甲斐翔真さんの舞台を未見なのですが、動画で拝見するととても熱いフェルセンになりそうな予感がしています…楽しみです。

ルイ16世:原田優一

フランス国王。心優しくフランス国民を愛する人物。錠前作りなど鍛冶仕事が好き。

原田優一(はらだ ゆういち)

生年月日 1982年9月1日
出生地  埼玉県
身長 171cm
血液型 O型

お人好しなルイ16世の滑稽な悲しさも表現する、繊細なお芝居が魅力的。2018年Wキャストだった佐藤隆紀さんは少しフェルセンに対し嫉妬心があるように思えたのですが、原田優一さんルイ16世は、愛する妻の気持ちがフェルセンにある事を知っても、妻とフェルセンに対する態度が変わりません。不器用すぎる国王の大きな愛。

オルレアン公:上原理生/小野田龍之介(Wキャスト)

ルイ16世の従兄弟にあたる王族で王の地位を狙う野心家。王妃マリー・アントワネットを憎み中傷する。フランス革命が勃発すると喜び、フィリップ・エガリテ(エガリテは平民を意味する)を自称。

MEMO
新演出版で出番が増えた人物。新演出版では王妃の首飾り事件の首謀者として描かれている。(旧演出版では、オルレアンがカリオストロに依頼して首飾り事件が起きる。)実際の首飾り事件にオルレアンは関係なく、事件後、王妃の攻撃材料にしました。
上原理生(うえはら りお)/初出演

生年月日 1986年10月29日
出生地  埼玉県
身長 183cm
血液型 O型

MA初出演。ソニンさん同様、革命家のイメージ(レ・ミゼラブルのアンジョルラス、スカーレット・ピンパーネルのロベスピエール、1789 -バスティーユの恋人たち-のダントンなど)が強いのですが、今回のオルレアンも打倒国王をもくろむ王族の役です。MAでのオルレアンは劇場をとどろかせる曲が用意された魅力ある悪役なので、東京藝術大学声楽科卒業の上原さんはハマり役になるのではないでしょうか。推測ですが、上原さんはギラギラした野心を全面に出したオルレアンになるのではと思っています。

小野田龍之介(おのだ りゅうのすけ)/初出演

生年月日 1991年7月12日
出生地  神奈川県
身長 177cm
血液型 B型

MA初出演。歌も踊りも素晴らしく多種多様な作品に出演されていますが、恐らくシルヴェスター・リーヴァイさん、ミヒャエル・クンツェさんの作品にメインキャストとして参加するのは初ではないかと思います(アンサンブルとして『モーツァルト!』出演経験あり)。2011年にセルビア・スボチカ市で行われたシルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンサート・コンクールへ出演した際リーヴァイ特別賞を受賞し、そのことをアンドリュー・ロイドウェバー作『ラブ・ネバーダイ』2019年再演時のパンフレットで「リーヴァイさんの指揮で歌いたい」事と合わせて書かれていたので、ご本人の強い希望でオルレアン公の役を射止めたのかもしれません(推測です)。これも勝手な予想ですが、小野田さんオルレアンは、野心をすました顔に隠した策士になりそうな予感がしています。

ランバル公爵夫人:彩乃かなみ

王妃の親友でフランス革命後も国王一家につきそい、それがゆえに暴徒に惨殺される。

彩乃かなみ(あやの かなみ)

生年月日 1976年8月7日
出生地  群馬県
身長 160cm
血液型 O型
愛称 みほこ

元宝塚歌劇団月組トップ娘役。MAでは出番は多くないのですが、聖母のような存在感のある彩乃かなみさんのランバル公爵夫人。王妃をいつも温かく見守り、舞台に存在するだけで安心感を与えてくれます。

レオナール:駒田一

マリー・アントワネットお抱えの結髪師。第三身分(平民)。ローズ・ベルタンと伴に当時の貴族女性たちの、塔のように高い「パフ(pouf)という髪型を生み出した人物。

駒田一(こまだ はじめ)

生年月日 1964年3月6日
出生地  愛知県
身長 172cm
血液型 AB型

大道芸で身に着けた軽やかな芝居センスを生かして、個性的な役柄で活躍。レ・ミゼラブルのテナルディエ役、ミス・サイゴンのエンジニア役、ラ・マンチャの男のサンチョ・パンサ役、ダンス・オブ・ヴァンパイアのクコール役、メリー・ポピンズのジョージ・バンクス役など。MAのレオナールもおちゃめです。

ローズ・ベルタン:彩吹真央

王妃マリー・アントワネットお気に入りの衣装デザイナー。第三身分(身分)ながら王妃に気いられ、ドレスや髪型をほぼ一手に引き受けた。

彩吹真央(あやぶき まお)

生年月日 1973年6月9日
出生地  大阪府
身長 168cm
血液型 O型
愛称 ゆみこ

宝塚歌劇団で繊細な演技力と豊かな歌唱力を持つ男役スターとして活躍。退団後は、ミュージカル、ストレートプレイと幅広く舞台を中心に活躍。サンセット大通りのベティー・シェーファー役、シラノのロクサーヌ役、ロコヘのバラードのマリ ア役、モンテ・クリスト伯の女海賊ルイザ役、ラブ・ネバー・ダイのメグ・ジリー役などに出演。レオナールと伴に、重い当作品のコメディや軽妙さを担っています。ピンクの髪型が素敵です。

ジャック・エベール:上山竜治/川口竜也(Wキャスト)

革命派のジャーナリスト。ミュージカルでは詩人として登場する。マリー・アントワネットの裁判で、でっちあげの罪を訴える。

上山竜治(かみやま りゅうじ)

生年月日 1986年9月10日
出生地 東京都
身長 175 cm

2001年に男性ユニットRUN&GUNを結成。14年卒業後はフィールドを広げ、テレビドラマ、映画、舞台などで活躍。宮本亜門演出「INTO THE WOODS」出演以降、ミュージカルからストレートプレイまで数多くの舞台に出演。主な出演作「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」「ブラック メリーポピンズ」「花より男子」「メリリー・ウィー・ロール・アロング」「宝塚BOYS」「レ・ミゼラブル」アンジョルラス役、「ウエスト・サイド・ストーリー」リフ役など

川口竜也(かわぐち たつや)

生年月日 1967年4月15日
出生地 大阪府
身長 175 cm

18歳よりミュージカル俳優を志し、大阪芸術大学舞台芸術学科ミュージカルコース入学と共に、日本ミュージカル研究会・劇団JMAに入団。2008年東宝「ミス・サイゴン」出演を機に上京。主な出演作「レ・ミゼラブル」ジャベール役、「ノートルダムの鐘」フロロー役(劇団四季外部出演)、「生きる」、「王家の紋章」、「シェルブールの雨傘」など。

『マリー・アントワネット』豆知識

王妃の評判を貶めた「首飾り事件」

首飾り事件とは、1785年ラ・モット伯爵夫人と名乗る女詐欺師によって仕組まれた、王妃マリー・アントワネットとロアン大司教を巻き込んだ詐欺事件のこと。このミュージカルでは大きく扱っています。

ヴァロワ家(ブルボン家の前の王家)の末裔と称するジャンヌ・ド・ヴァロワが、ラ・モット伯爵夫人を名乗り、王妃マリー・アントワネットの親しい友人と吹聴して、ロアン大司教に取り入ります。

聖職者でありながら品行が悪く王妃から嫌われていたロアン大司教は、王妃の寵愛を受けて宰相の地位を得たいため、王妃と親しいと称するラ・モット伯爵夫人に金銭をだまし取られていました。

そんな折、ルイ15世が愛人デュ・バリー夫人のため宝石商ベメールに注文した160万リーブル(現在の十数億)の首飾りが、国王逝去のため引き取り手がないことをラ・モット伯爵夫人は知り、ロアン大司教に分割購入して首飾りを欲しがっている王妃に贈呈してはどうかと持ち掛けます。

伯爵夫人は、娼婦マリー・ニコル・ルゲイ・デシニーを王妃の替え玉にし、ロアン大司教と面会させていました。王妃の謁見を叶えてくれたと騙された大司教はラ・モット伯爵夫人の提案を了解し契約。

ラ・モット伯爵夫人は、手に入れた首飾りをロンドンでばらして売り払い、贅沢な生活を送っていました。

しかし、支払いの遅れに業を煮やした宝石商ベメールが、大司教にではなく王妃の側近に督促したため事件が発覚。国王に呼びだされ、ロアン大司教は騙されたことを知ります。

事件に激高したマリー・アントワネットは逮捕を命じますが、ロアンは全宮廷の前で司祭服のまま逮捕される屈辱は許してほしいと懇願。しかし王妃はパリ高等法院(最高司法機関)に裁判を持ち込みます。

地位のある大司教が逮捕され、民衆だけでなく貴族からも批判の声が出ます。そしてマリー・アントワネットの意に反して裁判所の判決はロアンの無罪でした。

有罪で終身刑になったラ・モット伯爵夫人はのちにロンドンへ逃亡。王妃を誹謗中傷した回想録を発表し、王妃の事実無根の噂が広まります。

結局、この事件で一番非難されたのは、”国民がパンも食べられない中、贅沢を続けるオーストリア女”のマリー・アントワネット。事件は彼女の陰謀によるものと噂まで出て、王妃の評判を決定的に貶めることになりました。

オルレアン公は王妃が嫌い

オルレアン公は王妃を「敵」と呼び、国王失脚を狙った人物。ミュージカルでも王妃を貶める首謀者として登場します。

オルレアン家は王の親族の中でも最高位にあり、国王に嫡子がいない場合は王位継承者を出す重要な位置にいた家柄。

歴史的に有名でこの作品でも活躍(?)するオルレアン公(ルイ・フィリップ2世)は、1785年に肩書を受け継いだ人物です。

肩書を受け継ぐ前年に名家の女相続人と結婚しており、すでにオルレアン家の財産が莫大であることからして、結婚で彼の財産はフランス最大であったと言われています。(ミュージカルでもオルレアンはお金を巻き散らしています。)

そのオルレアン公を、マリー・アントワネットがおふざけでなぶり者にし、彼がフランス海軍大将の地位につくのを邪魔した事がありました。オルレアンは虚栄心が強くマリー・アントワネットの言葉に傷つき、王妃を政敵呼ばわりし、国王には強く反抗するように。

ミュージカルにも出てきますが、女たちのヴェルサイユ行進は、裏でオルレアンが扇動したとも言われています。

遠藤周作氏の原作では、シャルトル公と名乗り(オルレアン公を名乗るのは父の死後です)、マリー・アントワネットとの恋の駆け引きや、彼女に疎まれた事、ルイ16世の死刑に賛成票を投じた事が書かれています。(原作では存在感が薄いです)

革命後、王妃に付き添ったランバル公爵夫人

ランバル公爵夫人は、マリー・アントワネットがハプスブルク家からフランスに嫁いできた年から宮廷に仕えます。マリー・アントワネットの6歳年上のランバル公爵夫人は、美しく優しい性格でした。控えめで王妃を利用して地位や出世を企むことはなかったのですが、マリー・アントワネット同様おしゃれに目が無く、莫大な御下賜金(公費)をファッションにつぎ込んでいました。

マリー・アントワネットはランバル公爵夫人を寵愛し、夫人は女官長の地位につきますが、次第にマリー・アントワネットの寵愛はポリニャック夫人に移っていきます。ベルばらを読んだことがある方なら恐らくご存じのポリニャック伯爵夫人。女官長の立場をポリニャック伯爵夫人に奪われたランバル公爵夫人はヴェルサイユ宮殿を去ります。

フランス革命勃発後、ポリニャック夫人をはじめ、マリー・アントワネットと親しかった貴族たちは身の危険を感じ外国に亡命してしまいました。

そんな中ランバル公爵夫人は危険を顧みず、革命時に国王一家のためにフランスへ戻り、王党派と連絡を取り合うなどマリー・アントワネットに献身的に尽くします。

そして国王一家と伴にタンプル塔へ幽閉され、その後ラフォルス監獄へと移送。最期は王妃の友人であることを憎悪した民衆に惨殺されてしまいました。

奇しくもマリー・アントワネットの寵愛を受けたランバル公爵夫人とポリニャック伯爵夫人は、生年月日と結婚した年が同じでした。

新演出で消えた「アニエス」について


王妃マリーアントワネット(上) (新潮文庫)

新演出版には登場しませんが、原作には「アニエス」という女性が登場します。修道女になり、のちに自分の意志で教会から離れる女性です。王妃、マルグリットを含めた3名のキャラクターは次の通り。

原作キャラクター

  • 恵まれた人に憎しみを抱くマルグリット
  • 全てを与えられ奪われたマリー・アントワネット
  • 自ら問いを続け、信念をもって行動し時代の渦に飲み込まれていくアニエス

原作においてアニエスは恐らく、キリスト教徒であった原作者の遠藤周作氏の気持ちを代弁させた人物です。

不公平を正すはずの革命がもたらす矛盾や残酷さに「神は何故こんなことを」とつぶやき、国王や王妃は処刑されるほどの罪だったのか?革命に死は必要なのか?常に向き合い、その時々に応じた信念をもって行動していく。

ミュージカルMAの旧演出版にはアニエスが登場するのですが、原作のアニエスが信念をもって行動する役目をマルグリットが負い、舞台上のアニエスは理想の信仰を求め、革命に突き進むマルグリットをときに諭す姿が描かれていました。

新演出版でアニエスがいなくなってしまいましたが、やはりマルグリットに原作アニエスの革命に対する問いや迷い、正しいと思える行動をとる姿が反映されています。

さらに新演出で追加になった新曲「どうすれば世界は」では、アニエスが求め続けた世界をどうすれば手に入れられるのか、私たちに問うものになっています。

どうすれば変えられる この世界を
その答えを出すのは我ら

新演出で消えてしまったアニエスですが、彼女の精神はマルグリットや曲に反映されている、と考えられるのではないかと思います。

ミュージカルナンバー(新演出版全曲)/CD/DVD/関連動画

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