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ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』基本情報(あらすじ・登場人物・キャスト)

ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』が2022年6月東京日比谷シアタークリエで上演されます。

ミュージカル『CROSS(クロス) ROAD(ロード)』は、驚異の才能を持ち、ヨーロッパを席巻したヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニを題材にした作品。2012年、2015年に上演した音楽朗読劇をミュージカル化したものです。(韓国ミュージカル『パガニーニ』とは別作品)

🎻🎻
パガニーニは史上最高の名手と言われるヴァイオリニスト。クラシックファンで知らない人はいないでしょう。

演奏会で披露する超絶技巧や音色が人間技とは思えず「悪魔に魂を売り渡し技巧を手に入れた」と噂される程でした。黒ずくめの舞台衣装やパガニーニの風貌もあいまって、パガニーニが悪魔と本気で信じる人も多く、演奏会では十字を切る聴衆もいたのだとか。

パガニーニという人物に関しては、虚実含め数々の伝説がつきまとい、怪しげなエピソードが一人歩きしている点もあるのですが、当時ヨーロッパの人々がパガニーニの演奏を聴いて熱狂したことは事実です。パガニーニグッズなるものも売られ、現代でいうとアイドルそのもの。それだけでなく、彼の演奏はリストやシューベルト、シューマンとなどいった大作曲家たちに衝撃を与えるものでもありました。

MEMO

2022年はパガニーニ生誕240年のアニバーサリー・イヤーです。それにちなんだコンサートなども開催されます。

基本情報

原作・脚本・作詞・演出・作曲

原作・脚本・作詞・演出:藤沢文翁
作曲・音楽監督:村中俊之
音楽スーパーバイザー:塩田明弘

オリジナル

音楽朗読劇『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』がオリジナル。

演出・脚本:藤沢文翁

2012年シアタークリエ(東京)
出演:紫吹淳(パガニーニ役)・林原めぐみ・山寺宏
音楽・演奏:ヴァイオリン/土屋雄作・チェロ/村中俊之・ヴァイオリン・ヴィオラ/吉田篤貴

2015年KAAT(神奈川)、松下IMPホール(大阪)
出演:山本裕典(パガニーニ役)・佐藤利奈・山寺宏一
音楽・演奏:ヴァイオリン/土屋雄作・ヴァイオリン・ヴィオラ/吉田篤貴・チェロ/井上真那美・ギター/齋藤純一
ライブペイント:さとうたけし

2022年のミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』には、音楽劇に出演されていた山寺宏一さんが出演。音楽劇初演でチェロ演奏した村中俊之さんがミュージカル作品では作曲・音楽監督。

上演時間

3時間15分予定
(25分休憩あり)

12:00開演
第一幕 12:00 ~ 13:05
休憩 25分
第二幕 13:30~ 15:15

13:00開演
第一幕 13:00 ~ 14:05
休憩 25分
第二幕 14:30~ 16:15

18:00開演
第一幕 18:00 ~ 19:05
休憩 25分
第二幕 19:30~ 21:15

2022年公演期間・会場

2022年6月7日(火)~6月30日(木) シアタークリエ(東京)

『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』あらすじ

東宝公式HPより抜粋

19世紀はまさに音楽に魅了された時代だった。

数多の音楽家が誕生し
人々はその才能を愛で
その美しい調べに酔いしれ
音楽が世界を支配したその時代に
突如として音楽史に登場し
音楽の世界を支配した漆黒のヴァイオリニストがいた
ニコロ・パガニーニ

彼には常にある噂がつきまとった。
悪魔と契約し、魂と引き換えに音楽を手に入れた・・・・と。
街外れの十字路で悪魔アムドゥスキアスと血の契約を結んだ彼は
100万曲の名曲の演奏と引き換えに、命をすり減らしてゆく事になる。

19世紀ヨーロッパの華麗なる音楽黄金期を舞台に
音楽を司る悪魔と
悪魔のヴァイリニストと呼ばれた男が奏でるメロディーは
ヨーロッパを
そして世界を熱狂させてゆく・・・
引用元:https://www.tohostage.com/crossroad/

登場人物紹介&2022年キャスト

キャスト表


登場人物キャスト
ニコロ・パガニーニ(悪魔と呼ばれた天才ヴァイオリニスト)相葉裕樹 / 水江建太 (Wキャスト)
アムドゥスキアス(音楽を司る悪魔)中川晃教
アーシャ(自由に音楽を愛するジプシーの娘)早川聖来(乃木坂46)

6/27~より宮田佳奈
エリザ・ボナパルト(ナポレオン皇帝の妹)青野紗穂
コスタ(パガニーニのヴァイオリンの師)畠中 洋
アルマンド(パガニーニに仕える執事)山寺宏一 / 戸井勝海(Wキャスト)
テレーザ(心優しきパガニーニの母)香寿たつき


アンサンブル:荒居清香、小倉優佳、趙 京來、德岡 明、中野亮輔、増山航平、宮田佳奈

ニコロ・パガニーニ/相葉裕樹 / 水江建太 (Wキャスト)

ニコロ・パガニーニは実在したヴァイオリニスト。その卓逸した技巧、黒ずくめの風貌などから「悪魔と契約したヴァイオリニスト」と呼ばれ、ヨーロッパを熱狂させました。

本作品では、周囲の期待に追い詰められたパガニーニが、街はずれの十字路(クロスロード)で音楽の悪魔アムドゥスキアスと血の契約を交わし、命と引き換えに天才だけが叶えられる「最高のメロディー」を100万曲演奏できる力を手に入れます。

相葉裕樹(あいば ひろき)Wキャスト

生年月日 1987年10月1日
出生地 千葉県船橋市
身長 181 cm
血液型 O型

近年のミュージカル出演作:『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役、『ダンス・オブ・ヴァンパイア」アルフレート役、『アナスタシア』ディミトリ役、『新テニスの王子様』入江奏多役など。

水江建太(みずえ けんた)Wキャスト

生年月日 1995年11月2日
出生地 東京都
身長 183 cm
血液型 B型

舞台の主な出演作:MANKAI STAGE『A3!』摂津万里役、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』入間銃兎役、「BANANA FISH」The Stage アッシュ・リンクス役など。2022年1月~テレビドラマ「たびくらげ探偵日記」滝本謙太役で出演。

アムドゥスキアス/中川晃教

アムドゥスキアスはソロモン72柱の悪魔。ソロモンは旧約聖書にてくる古代イスラエル第三代の王で72名の悪魔を使役したとされています。これらの悪魔には、王、君主、公爵、侯爵、伯爵、騎士、総裁の爵位があり、アムドゥスキアスは29の軍団を率いる序列67番の地獄の公爵。ユニコーンの姿またはユニコーンの頭をもつ人間の姿で描かれます。音楽的な性格を持つ悪魔とされ、驚嘆する音楽を奏でたり音楽の才能を与えたりすると言われています。

ソロモン72柱の悪魔は、日本でも様々な作品のモチーフになっています。アムドゥスキアスが登場する作品例:ゲーム『女神転生』のアムドゥシアス(アムドゥスキアスの別表記)、ゲーム『メギド72』のアムドゥスキアス(メギド72)、ゲーム『アビス・ホライズン』のアムドゥスキアス(アビス・ホライズン)

ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』でのアムドゥスキアスは、パガニーニに特に執着し彼を自らの最高傑作とすべく、彼と彼に関わる人間たちを翻弄してゆきます。

中川晃教(なかがわ あきのり)

生年月日 1982年11月5日
出生地 仙台
身長 ー
血液型 B型

ミュージカル俳優でシンガーソングライター。主なミュージカル出演作品:『モーツァルト!』ヴォルフガング役、『SHIROH』少年シロー役、『ジャージー・ボーイズ』フランキー・ヴァリ役、『フランケンシュタイン』ビクター・フランケンシュタイン/ ジャック役など

アーシャ/早川聖来 ※6/27~より宮田佳奈

音楽を愛するジプシーの娘。パガニーニのファンであったが、やがてパガニーニの良き理解者になる。天真爛漫で明るい少女。天才ではないが、流浪の旅で覚えた様々な楽器や音楽を知っている。

早川聖来(はやかわ せいら)

生年月日 2000年8月24日
出生地 大阪府 大阪市
身長 164 cm
血液型 A型

乃木坂46のメンバー。出演作:ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』 2019、 火野レイ / セーラーマーズ役、『スマホを落としただけなのに』 稲葉麻美役、即興ミュージカル『あなたと作る~etude The 美4』。

早川聖来(乃木坂46)さんの体調不良により、6/27~の公演は、アンサンブルの宮田佳奈さんがアーシャ役を務めました。

エリザ・ボナパルト/青野紗穂

エリザ・ボナパルトは、ナポレオン1世(ナポレオン・ボナパルト)の妹で実在した人物。堅実な性格で芸術を愛したと言われています。パガニーニがルッカ(イタリア北西部に位置する街)に姿を現わした時、エリザはルッカおよびピオンビーノ公国の大公妃になったばかりでした。エリザはパガニーニに夢中になり恋仲になるのですが、エリザの妹でヨーロッパ一の美女と言われたポーリーヌもパガニーニと良い仲になってしまい、姉妹でパガニーニを奪いあうことになります。

本作品ではエリザが悪魔アムドゥスキアスの差し向けたファム・ファタルとして登場。ファム・ファタルとは、宿命の女または運命の女を意味し、物語などでは恋心を寄せた男を破滅させる女として描かれます。

青野紗穂(あおの さほ)

生年月日 1997年10月19日
出生地 兵庫県
身長 155 cm

2012年、14歳でN.Y.アポロシアターのボーカルコンテストに出場し優勝。2017年ミュージカル『RENT』にミミ役で出演。その他の主な出演作:『アルジャーノンに花束を』(『Fly By Night』『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』)、『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 –case.剥離城アドラ-』、『Color of Life』、『オン・ユア・フィート!』、『ブルックリン』など

コスタ/畠中 洋

幼い頃からのパガニーニのヴァイオリンの師。悪魔と契約したパガニーニの演奏を聴いて、最初にその異変を察知する人物。

畠中 洋(はたなか ひろし)

生年月日 1966年1月9日
出生地 山形県 上山市
身長 170 cm

音楽座に入団し『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』、『とってもゴースト』、『リトルプリンス』、『アイ・ラブ・坊ちゃん』、『マドモアゼル モーツァルト』など主要作品に出演。音楽座以外でも出演多数。

アルマンド/山寺宏一 / 戸井勝海(Wキャスト)

パガニーニの忠実な執事であり、音楽にはかなり詳しい人物。パガニーニからは「パロマ一の頑固者」と言われるほど堅物。ストーリーテラーも兼ねる。

山寺宏一(やまでら こういち)

生年月日 1961年6月17日
出生地 宮城県 塩竈市
身長 176 cm

声優、タレント、ナレーター、ものまねなど多岐に渡り活躍。本作オリジナル音楽朗読劇『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』に初演、再演とも出演。

戸井勝海(とい かつみ)

生年月日 1963年2月24日
出生地 広島県
身長 176 cm

主に舞台俳優として活躍。『レ・ミゼラブル』グランデール役、マリウス役、『ロミオとジュリエット』パリス役、『タイタニック』、『アルジャーノンに花束を』、『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』、『マドモアゼル・モーツァルト』レオポルト役など。

テレーザ/香寿たつき

パガニーニの母。息子に常に深い愛情を注ぎ、誇りに思う。

香寿たつき(こうじゅ たつき)

生年月日 1965年11月26日
出生地  北海道札幌市
身長 165cm
血液型 B型
愛称 タータン

パガニーニってどんな人物?

ニコロ・パガニーニ(1782~1840)は、イタリアのヴァイオリニスト、ヴィオラ奏者、ギタリスト、そして作曲家です。

パガニーニは1782年イタリア、ジェノヴァに誕生しました。アマチュア音楽家で湾岸労働者の父アントニオからマンドリンとヴァイオリンの音楽教育を受けます。母のテレーザも歌の才能に恵まれ、幼いころのパガニーニは貧しいながらも音楽が身近な環境でした。

パガニーニが生きたのは、ヨーロッパが古い体制から変わりつつある激動の時代です。音楽の歴史に名を残す偉大な音楽家たちが存在した時代でもありました。


「悪魔と取引した」と噂されたパガニーニ。聴衆が本気でそう信じたのは、彼のヴァイオリンの音色と技巧が人間離れしていたからです。目にも止まらぬほどの速弾き、弦一本のみの演奏など今まで見たこと聴いたことのない演奏に聴衆は圧倒されました。怖れをなして演奏会で十字を切る人や、パガニーニが地面から浮いていないか足元ばかりみる人もいたといいます。

パガニーニはイタリア、ウィーン、ドイツ、パリ、ロンドンとツアーで訪れ各地で成功を収めます。

パガニーニの超絶技巧はもちろん、訪れた街にちなんだ別の作曲家の作品をプログラムに取り入れたり、その街の為に作曲した作品を入れたりするなど、聴衆を飽きさせない工夫をこらしたパフォーマンスも成功の要因でした。

また、黒ずくめの服装で舞台に立ったことや、幼少のころから抱えていた多くの病気のせいで、痩せこけて浅黒い風貌であったことも「悪魔」の噂を広めるきかっけになったことでしょう。

大フィーバーが起きたウィーンのカフェではヴァイオリン型のケーキが売られ、パガニーニのイニシャルが入ったハンカチやネクタイなども売られたようです。今でいうと推しグッズといったところでしょうか。

演奏会の入場料を通常の2~3倍に跳ね上げると、最初は高すぎて渋った人々も、結局は街中にパガニーニの噂が広まると演奏会に足を運びチケットは完売となりました。

今のように会場でチケットを管理するシステムがなかったためタダ見客もいました。それを防ぐためパガニーニは自らチケットをもぎり、劇場の扉に鍵をかけから演奏を始めたそうです。

ロンドン公演では新聞で「守銭奴」と批判され、今なおケチなイメージのあるパガニーニですが、慈善公演も熱心に行っていました。

演奏会の成功で当時の音楽家たちとは比較にならないくらい稼いだパガニーニは、晩年、賭博場と音楽会場を兼ねた「カジノ・パガニーニ」に出資しますが、だまされ大きな損害を被ります。お金への執着だったのか、それとも息子のために出来るだけ残したかったのか。

3年後、パガニーニは亡くなります。パガニーニにまつわる悪魔の噂を信じた教会が埋葬を許可しなかったため、パガニーニの遺体は防腐処理を施されながら転々とし、ジェノヴァの共同墓地に落ち着いたのは、亡くなって86年過ぎた1926年になってからのことでした。

パガニーニが生前、自作品の楽譜の出版を許可したのは、「24のカプリース作品1」の1つだけでした。著作権など無かった時代、楽譜を写譜(コピー)され出回り、自分の演奏を真似されることを恐れたからです。

自作の楽譜を焼き捨てたという伝説もあり、今日まで伝わっているパガニーニの曲は多くありません。

パガニーニに影響を受けた音楽家たち

多くの音楽家が、パガニーニの音楽性とテクニックに惹きつけられました。

  • 「ピアノのパガニーニになる!」と決意したリスト
  • パガニーニのコンサートチケットを買うため家財を売ったシューベルト
  • 法律か音楽か。進路を迷っていた時、パガニーニの演奏を聴いて音楽の道を選んだシューマン
  • 生涯にたった3回しか泣かなかったが、その1回がパガニーニの演奏を聴いた時だというオペラ王ロッシーニ

ブラームス、ツェルニー、ショパン、リスト、ラフマニノフなどパガニーニに強く惹きつけられた音楽家たちは、のちに編曲や変奏曲をつくるようになります。

ミュージカル界でいえば『オペラ座の怪人』、『キャッツ』などのアンドリュー・ロイド=ウェバー氏も、ミュージカル『ソング・アンド・ダンス』の「ヴァリエーションズ」でパガニーニの「24のカプリース」第24番の主題を編曲しています。

パガニーニの変奏曲で最も有名なものは、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏」でしょうか。パガニーニの「24のカプリース」第24番のモチーフ「ラドシラミ」を反行形(上下を逆さまにした形)「ミド(#)レミラ」にし、ピアノとオーケストラの名作として発展させたものです。

演奏動画『パガニーニの主題による狂詩曲』
2021年ショパン国際ピアノコンクール2位の反田恭平さんが演奏されている動画があるので掲載します。

パガニーニが単に凄いヴァイオリニストだっただけでなく、クラシック音楽の可能性を広げた音楽家だったことがわかりますね。

パガニーニを知る本・映画

【本】悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト パガニーニ伝/浦久俊彦著


悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト―パガニーニ伝―(新潮新書)

「パガニーニにまつわる話は、事実と虚実が混ざり合っている」と著者も認めているように、どれが本当で嘘なのか不明な点が多いのですが、残されたパガニーニの手紙や当時の音楽家たちの言葉、新聞記事など当時の資料からパガニーニの波乱万丈の人生を極力事実に基づいて伝えようとしている内容です。パガニーニの人生に関する本がほぼ無い中、日本で一番わかりやすいパガニーニの本だと思います。

【映画】パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト


パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(字幕版)

パガニーニの音楽伝記映画。フィクションがかなり混ざっています。内容も深いか浅いかでいえば、浅いです。ただ、当時のヨーロッパの熱狂の雰囲気が伝わり、音楽と映像が美しさから個人的に好きな映画です。

見所は3点
①パガニーニを演じているデイヴィッド・ギャレット(製作総指揮も務める)
デイヴィッド・ギャレットは現代のパガニーニ―とも呼ばれる人気ヴァイオリニスト。史上最年少で名門レーベル(ドイル・グラモフォン)と契約。17歳でジュリアード音楽学校に合格し、同じく17歳でパガニーニの超難曲「24のカプリース」を全曲録音した天才です。モデルを勤めた容姿の持ち主で、学生時代は「アルマーニ(ARMANI)」、「グッチ(GUCCI)」のファッション誌やファッションショーにも出演しました。

②5億円のヴァイオリンが演奏で使われている
劇中では、デヴィッド・ギャレット所有の「ストラディバリウス」という名器で名高いヴァイオリンが使われています。演奏するのはもちろんデイヴィッド・ギャレットで一切の吹き替えなし。

③音楽が美しい
劇中に流れる音楽が非常に美しいです。パガニーニ本人が作曲したものはもちろん、シューベルトやチャイコフスキー、ラフマニノフ等の名曲に加え、主演のデイヴィッド・ギャレット作曲した作品も。中でも、パガニーニのヴァイオリン協奏曲を主演のデイヴィッド・ギャレットが編曲したアリア「愛しい人よ」は美しいソプラノと哀愁を帯びたヴァイオリンの音色がロマンチックで強く印象に残ります。

映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』動画配信サービスとあらすじ

パガニーニの代表的な名曲

24のカプリース(24の奇想曲)作品1より「第24番」

「24のカプリース」は24曲からなる無伴奏のヴァイオリン曲。高度な技巧を要する難易度の高い曲です。特にイ短調の最後の第24番は有名で、のちにブラームス、リスト、ラフマニノフなどの大作曲家たちが変奏曲を残しています。

「24のカプリース」は最高難易度の楽曲なので、演奏披露に取り上げられる事が多いのですが、12月3日公開の映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」でも「24のカプリース」でヴァイオリンバトルを繰り広げるシーンが組み込まれていました。

「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」
2021年12月3日公開。新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか

ヴァイオリン協奏曲第2番 第3楽章「鐘のロンド」(ラ・カンパネラ)

パガニーニ作曲のヴァイオリン協奏曲。「ラ・カンパネラ」というとリストのピアノ曲を思い浮かべる方も多いと思いますが、もともとはパガニーニ作曲の美しいフレーズをリストが変奏曲形式によるピアノ曲に編曲したものです。

※カンパネラとはイタリア語で鐘を意味します

カンタービレ ニ長調 Op.17, MS 109

技巧ばかり目にいきがちなパガニーニですが、ロマンチックな作品も作っています。カンタービレも美しく甘いメロディ―の名作です。

クロスロード(十字路)伝説

作品タイトルの「クロスロード」。本作は「クロスロード(十字路)に立つ悪魔」のヨーロッパの伝承をベースにした作品ですが、クロスロード伝説といえば、ブルース創世記に活躍したシンガー・ギタリストのロバート・ジョンソンが有名です。

ロバート・ジョンソンの超人的なギターと歌に人々は驚き、「十字路で悪魔に魂を売り渡し、引き換えにテクニックを身につけた」と伝説が広がりました。

このクロスロード伝説はのちに他の作品に影響を与えます。

タイトルもそのままの映画『クロスロード』は、クラシックギタリストを周囲に期待されながらもブルースギタリストを目指す少年ユジーン(ラルフ・マッチオ)が、伝説のブルースマン「ブラインド・ドッグ・フルトン」ことウイリー・ブラウン(ジョー・セネカ)とともに旅をし、かつてウィリーが悪魔と契約した十字路で、悪魔に魂を売ったジャック(スティーヴ・ヴァイ)とギター対決をする、という話。

ギタリストのスティーヴ・ヴァイが出演しているので、ギター好きな方はご存じかもしれませんね。

ギター対決で、最初は主人公ユジーンを圧倒する悪魔の手先ジャックですが、ユジーンがパガニーニの24のカプリース第5番を演奏すると(3:40~)形勢逆転となります。

この場面、スティーヴ・ヴァイ演じるジャックの演奏はもちろん、主人公ユジーンの演奏もスティーヴ・ヴァイが吹き替えしています。ちなみにジャックがカプリースをうまく弾きこなせず間違って弾く演技にスティーヴ・ヴァイは苦労したようです。


クロスロード (字幕版)

クロスロード伝説は他にも様々な作品に影響を与え、日本では漫画「20世紀少年」(浦沢直樹著)に登場します。

チケット

先行抽選エントリー
3月22日(火)~3月25日(金)

一般前売り開始
2022年4月2日(土)

インターネット購入(東宝ナビザーブ)
https://stage.toho-navi.com/